遺伝子組み換え(GM)パパイヤの輸入が今月から解禁になった。米国ハワイで作られたものだ。GMパパイヤは1998年の開発以来、生産を拡大して米国本土などで販売されている。ハワイで最近パパイヤを食べたならば、おそらくGMパパイヤだろう。
2009年には日本の食品安全委員会が「健康を損なう恐れはない」と判断しており、今月初めの解禁となった。生産地のハワイでは、既に「遺伝子組み換え」の文字が書かれたラベルが作成されており、早ければ今月中にも店頭に並ぶという。
これまでも飼料用の穀物としてGM作物はたくさん日本に入ってきていた。だが、生でそのまま人が口にする食べ物としては初めてのものになる。
ただ、「買うか?」と聞かれたら、「買わない」と答える人がほとんどではないだろうか。そもそもパパイヤは嗜好品なうえ、遺伝子組み換えではないパパイヤもたくさんある。この状況下で、あえてGMパパイヤを選ぶ人は少ないだろう。それが、日本における現状だ。だが、「パパイヤだから関係ない」と受け流してはいけない。GM作物の普及は世界で進んでいる。今回の輸入解禁は、その一歩と捉えるべきだ。
これを機に、GM作物についての議論を日本でももっと活発にすべきだと考える。
GM依存大国、ニッポン
トウモロコシ世界最大の輸入国である日本。その輸入先は9割が米国だ。米農務省(USDA)の調べによると、2011年に米国で生産されるトウモロコシの88%(作付面積ベース)はGM作物だという。ダイズにいたっては94%(同)と、もはや遺伝子組み換えでない大豆を探すほうが困難な状況にある。
家畜向けの飼料はほぼ全量が輸入に頼っている。つまり、穀物飼料のほとんどがGMに頼っていることになる。だが、日本でこれほどGM作物に依存していることは、ほとんど知られていない。
日本人にとって、GM作物に良い印象を持っている人は多くないだろう。「何となく嫌だ」「体に悪影響があるような気がする」「生態系を壊すのではないか」――。消費者の嫌悪感は拭いきれていない。
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