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「このキャッシュフロー地獄、いつまで続くの?」

払わない相手から売掛金をどう回収するか

2011年12月20日(火)

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 題名からお分かりのように今回の内容は明るいものではない。そこで冒頭だけ明るい自慢話を書かせてほしい。

 資本金ゼロで2006年に物販を手がける弊社を設立、2007年には売上高100万ドル、2008年には200万ドル、そして2009年には500万ドルと急成長を見せた。我ながら素晴らしい限りである。

 事業が成長するにつれ、財務諸表上は美しい数字が並ぶ。資本金がないため、人も大して雇えず、つい最近まではCEOの主人とCFOの私が会社をほぼ切り盛りしていた。

 設備も最小限に抑えているので、とにかくスリム、会社の数字には贅肉が一切なく、とても美しい。

 明るい話は以上で終わり、ここから先は地獄巡りの話である。資本金がないまま急成長し続けるということは、常にキャッシュフローと闘うことを意味する。

 実際、銀行口座がゼロ以下にならないようにと悪戦苦闘し、ストレス漬けで胃が痛む日々が続く。猛ダッシュで綱渡りをしている気分だ。

仕入れには即支払い、販売は掛け売り

 キャッシュフロー地獄に墜ちた理由は簡単明白である。売上回収と仕入支払いのタイミングにギャップがあるからだ。

 弊社の商品を買って下さる顧客には掛け売りをしている。掛売条件で通常見られるのはネット30というもの。顧客が商品を受け取ってから30日後に支払いの期日が来る仕組みだ。つまり注文を受けてすぐに商品を発送した場合でも、売掛金の回収を始めるまでに1カ月かかる。

 注文を受けたらすぐに仕入れを起こさないといけないため、仕入れ先への支払いは売掛金回収よりも前になる。弊社が仕入れ業者に支払う条件がネット30であったら、キャッシュインとキャッシュアウトのタイミングが揃うので問題はない。

 しかし、弊社の仕入れ取引に関する支払いのほぼすべてが売掛金回収よりもはるかに早い。なぜなら弊社の仕入れ先のほとんどは掛け売りをしてくれないからだ。

 本連載で説明してきた通り、弊社は商品の企画を立て、実際の製造を中国企業に委託している。出来上がった商品を中国から輸入する場合、港に商品が到着すると同時に、もしくはその前に全額を支払うことにより税関通過に必要となる書類が製造業者から送られてくる。

 これが慣習であり、特別な経緯や関係、例えば非常に長期の信頼関係がある企業であったり、何らかの資本関係がある企業でない限り、中国企業が商品代金を受け取らないで商品を渡すことはない。

 つまり、仕入れ時に仕入れ額の全額を中国企業に払い、売った後の1カ月間じっと耐え、それから売り掛けの回収を始めることになる。実際の注文は次から次へと入ってくるので、もう少し複雑になるが、キャッシュインとキャッシュアウトのタイミングが大きくずれていることに違いはない。

ブローカーからの仕入れは現金決済

 中国製の商品と並んで、弊社の仕入れの柱になっているのはクローズアウト商品である。生産を終了した商品や店を閉めた小売業から出てきた商品のことだ。

 カジノからの注文が膨大に増え始めた頃、クローズアウト商品の仕入れを開始した。中国製商品は手にするまでのプロセスが長いし複雑だ。中国OEM/ODM一本槍では無理があると考えたからだ。

 クローズアウト商品はたいていの場合、物は新品でダメージは一切ない上に破格の値段で販売されている。ただし数千という単位で、在庫のすべてを一括して引き取らなければならないことが多い。

 お皿や使い捨てモップといったローエンド商品からハイエンドブランドのコーヒーメーカーやスーツケース、ブリーフケース、クリスタルでできたワイングラスや花瓶と、様々な商品がクローズアウトとして売られている。詳細は別途ご紹介したいが、このクローズアウト商品の仕入れを始めてから弊社の売上高は急成長した。そして同時にキャッシュフローの更なる悪化を招いてしまった。

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「「このキャッシュフロー地獄、いつまで続くの?」」の著者

上田 尊江

上田 尊江(うえだ・たかえ)

Artform LLC CFO

マネジメントコンサルタント、オンライン証券会社の創業、海外企業の日本参入支援など手がけた後、2006年より渡米、TransAction HoldingsおよびartformのCFO。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師