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1に資金繰り、2も3も資金繰り

毎日そのことばかり考えるのが経営者

  • 渡邉 美樹

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2011年12月26日(月)

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 今回は、勉強会参加者から一番多かった質問である「お金」について、お話しします。

 私は創業する前、運送会社で1日20時間働き、12カ月で貯めた300万円を最初の資本金にしました。しかし、300万円では店は出せません。さらに多店舗展開するには膨大な投資が必要です。

 例えばワタミグループでは介護付き有料老人ホームを75棟(2011年12月)運営しているのですが、1棟10億円の投資として計算すると合計750億円となります。このほかにも高齢者向け宅配など様々な事業を展開しており、27年間の経営で総額2000億円くらい投資しています。

 27年前に300万円しか持っていなかった会社の社長が2000億円をどうやって投資したのでしょう。いったいどういう術を使えばそんなにお金が動かせるのでしょうか。私が最終的になぜ2000億円を集めることができたのか。そこをお話しいたします。

起業時に決めた3つのこと

 創業当時、横浜でライブ居酒屋を開こうとしました。私が最初に考えたことは、リース店舗を借りることです。賃貸料が20万円の物件がありました。建設会社に内装などの投資をしてもらってお店を作ったとすると、そのリース料が加算されて、概ね40万円が家賃となります。家賃は非常に高いけれど内装費はあまりかかりません。

 ですが、もしその物件で店を開いていたら、あっという間に潰れていたでしょう。運転資金300万円に対して、家賃が割高だからです。そして当時は分からなかったのですが、立地も悪く、事業計画も非常に曖昧でした。

 結果的に私は運が良く、当時、つぼ八の創業者の方に融資先を紹介していただき、そこから借りた5000万円で「つぼ八」のFCとして事業を始めました。

 実は2900万円はリース会社の割賦で、残りの約2000万円はお取引業者様からの 借金でした。つまり銀行からはお金を貸してもらえなかった。ただし、リース会社やお取引業者様が気を遣ってくれて、金利を約10%に抑えてくれました。

渡邉美樹(筆者)

 私は起業する時、3つのことを決めていました。

 1つ目は「絶対に手形は切らない」。手形を切るということは、自分でお札を描いて作るようなもので、のちのち大きな責任を負います。だから、私は手形を絶対切らない。手形を切りさえしなければ会社は倒産しません。手形が不渡りになるから会社は倒産するのであって、不渡りがない限り会社は倒産しません。

 2つ目は「銀行より高い金利でお金を借りない」。私が事業を始めた時は、金利はだいたい6%くらいでした。その状況の中で、一番金利が高い銀行は10%だった。だから10%以上の金利では絶対お金を借りない。つまり、銀行が貸さない事業で、高利貸しからお金を借りるくらいなら、もう撤退した方が良いということです。銀行の融資の姿勢にも確かに色々な問題がありますが、銀行がお金を貸して良いよというのは、事業計画に「合格」のお墨付きをもらったのと同じです。

 3つ目は「本業にしかお金を使わない」。ちょっとお金に余裕ができたら、土地を買ったり、株を買う人がいます。それはやめましょう。

 でも、いざ起業してみたら、最初は銀行はお金を貸してくれない。ですから、銀行以外の融資先を紹介してもらい、金利も上限以下に抑えてスタートし、毎月30万円の利益を出していた店の店長として事業を始めたのです。

コメント6件コメント/レビュー

記事に対しては、大変な苦労と努力をなさったのですねとしか言えないですが、取引先がお金を貸してくれた、出資してくれた、というのは、ビジネスプランの出来栄えの良さなどではなく、社長自身の人格を信じてのものでしょう。銀行はともかく、取引相手からは信じてもらえた。一方で、銀行が融資の約束を断るときに人格否定をしたというのも、ひとつの見識です。生命保険で借金を返すという人は、結局のところ自分が死んだ後の後始末を考えていないのです。本人は事業と自分の命を一体のものだと思っているから、事業が破綻すれば、それは自分の死と同義だし、死を選ぶ予定だということは、つまり破綻した事業を再建をするつもりはないと自白しているようなもの。後始末は銀行がかぶれと。ところで、コメントにある、今年、ユッケの食中毒で多数の死者を出した焼肉屋は、2014年にJASDACに上場を予定していました。もし上場後にあの事故が起きていたら、どうなったでしょうか。(2011/12/30)

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

記事に対しては、大変な苦労と努力をなさったのですねとしか言えないですが、取引先がお金を貸してくれた、出資してくれた、というのは、ビジネスプランの出来栄えの良さなどではなく、社長自身の人格を信じてのものでしょう。銀行はともかく、取引相手からは信じてもらえた。一方で、銀行が融資の約束を断るときに人格否定をしたというのも、ひとつの見識です。生命保険で借金を返すという人は、結局のところ自分が死んだ後の後始末を考えていないのです。本人は事業と自分の命を一体のものだと思っているから、事業が破綻すれば、それは自分の死と同義だし、死を選ぶ予定だということは、つまり破綻した事業を再建をするつもりはないと自白しているようなもの。後始末は銀行がかぶれと。ところで、コメントにある、今年、ユッケの食中毒で多数の死者を出した焼肉屋は、2014年にJASDACに上場を予定していました。もし上場後にあの事故が起きていたら、どうなったでしょうか。(2011/12/30)

厳しいですね。まさに人間を試されているんですね。信用の大切さとそれを生み出す苦労への理解が深まったように思います。それとともに僕が尊敬する「創業経営者が持つ責任感」の源泉の一つが分かりました。(2011/12/27)

典型的な危険愛好者の事例で驚きました。創業時に自分で開業資金を貯めて、事業を始めて「銀行より高い金利でお金を借りない」という所は、誰もが納得できるでしょうが、それ以降の借金により事業を拡大する手法は、いわゆるレバレッジを効かせる行為であり、失敗すれば破滅という限界までの投資という事になるのでしょう。そこまで踏み切れるかどうかが経営者の決断になるのでしょうが、成功するも失敗するも紙一重の部分も少なくないと思います。失敗した経営者の場合は、普通、表に出てきませんが、今年、ユッケで失敗した会社の若い経営者も、創業時は渡邉氏と同じような感覚で事業を開始したのだと思います。考え方自体は誰もが同じような思いで始めても、事業がうまく軌道に乗るかどうかは不確実な部分が多いので、多くの人がサラリーマンのまま躊躇してしまうのでしょう。ただ、資金繰りに関しては、コラムにある銀行の言い分は極めてまともであり、もしもあなたが、お金を貸す側でしかも人から預かっているお金を貸す立場であったら、当然に融資はしないのではないでしょうか。万が一にも失敗して、人様から預かっている大切なお金を返せなくなった場合は、責任の取りようがないからです。大きな事業をやる場合、銀行借入は必須となるでしょうが、「失敗したから借金は返せません」では済まないのあり、もしも倒産したら、無い袖は振れないというのを充分理解しているのは、借りる側の経営者よりも貸す側の銀行だと思います。経営者が失敗して借金を返せなくなっても、一蓮托生でしかたがないと思ってもらえるような株式上場が、最終的には正当な資金調達の方法でしょうが、その道は遠いと思わざるを得ません。なぜなら、そこまでたどり着くには、渡邉氏のように資金援助してもらえるような人徳あるいは協力者が必要であり、銀行や国は当てにできないからです。(2011/12/27)

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