1に資金繰り、2も3も資金繰り

毎日そのことばかり考えるのが経営者

  • 渡邉 美樹

 今回は、勉強会参加者から一番多かった質問である「お金」について、お話しします。

 私は創業する前、運送会社で1日20時間働き、12カ月で貯めた300万円を最初の資本金にしました。しかし、300万円では店は出せません。さらに多店舗展開するには膨大な投資が必要です。

 例えばワタミグループでは介護付き有料老人ホームを75棟(2011年12月)運営しているのですが、1棟10億円の投資として計算すると合計750億円となります。このほかにも高齢者向け宅配など様々な事業を展開しており、27年間の経営で総額2000億円くらい投資しています。

 27年前に300万円しか持っていなかった会社の社長が2000億円をどうやって投資したのでしょう。いったいどういう術を使えばそんなにお金が動かせるのでしょうか。私が最終的になぜ2000億円を集めることができたのか。そこをお話しいたします。

起業時に決めた3つのこと

 創業当時、横浜でライブ居酒屋を開こうとしました。私が最初に考えたことは、リース店舗を借りることです。賃貸料が20万円の物件がありました。建設会社に内装などの投資をしてもらってお店を作ったとすると、そのリース料が加算されて、概ね40万円が家賃となります。家賃は非常に高いけれど内装費はあまりかかりません。

 ですが、もしその物件で店を開いていたら、あっという間に潰れていたでしょう。運転資金300万円に対して、家賃が割高だからです。そして当時は分からなかったのですが、立地も悪く、事業計画も非常に曖昧でした。

 結果的に私は運が良く、当時、つぼ八の創業者の方に融資先を紹介していただき、そこから借りた5000万円で「つぼ八」のFCとして事業を始めました。

 実は2900万円はリース会社の割賦で、残りの約2000万円はお取引業者様からの 借金でした。つまり銀行からはお金を貸してもらえなかった。ただし、リース会社やお取引業者様が気を遣ってくれて、金利を約10%に抑えてくれました。

渡邉美樹(筆者)

 私は起業する時、3つのことを決めていました。

 1つ目は「絶対に手形は切らない」。手形を切るということは、自分でお札を描いて作るようなもので、のちのち大きな責任を負います。だから、私は手形を絶対切らない。手形を切りさえしなければ会社は倒産しません。手形が不渡りになるから会社は倒産するのであって、不渡りがない限り会社は倒産しません。

 2つ目は「銀行より高い金利でお金を借りない」。私が事業を始めた時は、金利はだいたい6%くらいでした。その状況の中で、一番金利が高い銀行は10%だった。だから10%以上の金利では絶対お金を借りない。つまり、銀行が貸さない事業で、高利貸しからお金を借りるくらいなら、もう撤退した方が良いということです。銀行の融資の姿勢にも確かに色々な問題がありますが、銀行がお金を貸して良いよというのは、事業計画に「合格」のお墨付きをもらったのと同じです。

 3つ目は「本業にしかお金を使わない」。ちょっとお金に余裕ができたら、土地を買ったり、株を買う人がいます。それはやめましょう。

 でも、いざ起業してみたら、最初は銀行はお金を貸してくれない。ですから、銀行以外の融資先を紹介してもらい、金利も上限以下に抑えてスタートし、毎月30万円の利益を出していた店の店長として事業を始めたのです。

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