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大ヒット続ける「スタバ本」の新たな発想

これまでになかったタイアップの構造とは

2012年1月4日(水)

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 出版業界の危機は、さまざまに語られているが、問題を整理して考える必要がある。まず、大手出版社と小規模出版社においては、危機の中身が違う。出版社と書店においても、危機の中身が違う。

 大手出版社の危機は、雑誌広告の収入減という問題が大きい。70年代から80年代にかけて、日本の生産性が急激に向上し、海外輸出も順調でメーカー企業の収益があがって、国内の消費喚起のために大量の広告宣伝費が投入され、広告の受け皿としての雑誌が大量に創刊された。

 しかし、その後の「失われた20年」の流れの中で、広告宣伝費は削減され続けた。これはテレビ局も同じだが、広告バブルの時代の収益に基づいて人件費などの組織構造を作ってしまったので、肝心の広告収入がアテにできなければ、対処の方法がないのである。

大きく変わる書店の役割

 書店も大きな時代の流れに翻弄されている。地域に密着してきた書店は、大型チェーン店に淘汰され、大きく減少した。書店の店舗数は、2004年に1万7994店舗あったものが、2010年には1万4085店舗になった。6年で4000店舗近くが廃業もしくは閉鎖されたのである。しかし、売り場面積は2004年に94万1289坪で、2010年は97万8093坪と逆に増加していて、大規模書店化が進んでいることが分かる(資料データは、2011年、出版物販売額の実態/日販経営相談センター発行より)。

 町中の小さな書店が崩壊して、都市型の大型書店とロードサイドの大型書店が増えたのだろう。それは、この10年間で地域における書店の役割が大きく変わってきていることを示している。

 書店は、他の商店と違い、購入目的が曖昧なまま立ち寄る人が多い。無目的に入店して、何か面白い商品があれば購入するし、立ち読みだけで済ませることも多い。どの商店よりも多品種の品揃えがあり、しかも、毎日、新製品が入荷するショッピングモールなどでは、有力書店の入居は必須であり、入居条件を低めに設定しても、集客効果において書店は外せないのである。

 町中の店舗の変容を見ると「ドラッグストア」や「100円ショップ」のように、何かを買いに来店するのだが、つい余計なものを買ってしまう衝動買いの店舗が元気が良い。東急ハンズやドン・キホーテなども同じだが、リアル店舗の価値は、衝動買いを誘惑する「消費の喜び」を満たすことなのかもしれない。

インストア・マーケティングの大きな可能性

 出版業界の中で勢いのあるのは宝島社である。昔から、雑誌の付録というのは、販売促進の有効な手段として存在していた。ベネッセは、付録の魅力で進研ゼミなどを躍進させた経験がある。宝島社のブランドムックは、単なる付録の域を越えて、本物の商品を雑誌と抱き合わせるという方法であった。バッグが付録というよりも、バッグに付録の雑誌がついてくるという発想の転換だろろう。それは、書店という存在が、多様な人を集める情報のプラットホームであるということを意識しての戦略である。

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「大ヒット続ける「スタバ本」の新たな発想」の著者

橘川 幸夫

橘川 幸夫(きつかわ・ゆきお)

デジタルメディア研究所代表

1972年、音楽雑誌「ロッキングオン」創刊。78年、全面投稿雑誌「ポンプ」を創刊。その後も、さまざまな参加型メディア開発を行う。現在、阿佐ケ谷アニメストリート商店会会長、未来学会理事などを勤める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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