• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

日用品バイヤーの「熱い冬」

早くも始まった夏物商品の調達合戦

  • 飯山 辰之介

バックナンバー

2012年1月13日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 この原稿を執筆している1月6日は二十四節気の1つ「小寒」だ。寒の入りを迎え、この日を境に2月の立春まで、寒さが1年で最も厳しい日が続く。

 だが日用品を扱う小売業のバイヤーたちに、寒さに打ち震えている暇は無い。むしろ彼らは例年にない「熱い冬」を迎えている。

 小売業のバイヤーたちは、早くも今年の夏に売り出す商品の調達に奔走している。求めているのは保冷剤や首を冷やすクールマフラー(クールスカーフ)、すだれといった、いわゆる涼感雑貨だ。

 ある大手100円ショップの商品部課長は「既に多くの小売業者が夏向け商品の調達に動いている。取り合いと言ってもいい」と話す。彼らが調達に動き始めたのは11月頃からで、通常より1~2カ月程度早い。この時期に、夏物雑貨を扱う商社や卸から「早くしないと他社に取られて調達できなくなってしまいますよ」と発破をかけられた。そこで同課長は「とにかくオーダーをかけまくれ」と社内に号令を出したという。

 商品調達に動いているのは100円ショップだけではない。ドラッグストア大手、ココカラファインの内剛・商品本部仕入部チーフバイヤーは「例年であれば2~3月から動き始めるのだが、その時期を前倒ししている。他の企業より早く調達しておきたい」と話す。

 こうした状況の中、販売価格に縛りのある100円ショップバイヤーは調達価格の値上がりを危惧している。

「売り逃し」はしたくない

 日用品を扱う各社が早くから涼感グッズ調達に奔走する背景には、昨年夏に起きた涼感グッズのブームがある。東日本大震災の影響で電力不安が広がり、多くの消費者が積極的な「節電」に動いたのは記憶に新しい。冷房を使わずとも涼を感じることができるクールマフラーや保冷剤をはじめ、太陽光を遮るヘチマの苗にまで消費者が殺到した。

 ホームセンター大手のカインズでは、例えば冷却まくらが前年比約160%、クールマフラーは前年比400~600%も売れた。暑さが本格化する前、4月ごろから早くも売れ出していたという。同社の江原潤・HC商品部日用雑貨部部長は「正直『異常』と言っていいほどの売れ行きだった。涼感グッズの人気は今後5年ほど続くのではないか」と見る。同部長のように涼感グッズブームは続くと予測する関係者は多い。

 一方で、昨年夏はあまりの売れ行きに商品調達が追いつかず、欠品に悩む企業も出た。小売業者、特にバイヤーにとって「売るべき時に売るべきモノが店舗に並んでいない」という状況は「機会損失」という言葉で簡単に片付けられない、耐え難いものだっただろう。「今年こそは商品を欠くことなく消費者に提供し、売り逃しを防ぎたい」という思いが、例年より早い夏物雑貨の調達合戦にバイヤー達を駆り立てる。

 しかも涼感グッズで大きな売り上げを作ったバイヤーは、昨年と同程度とまでは言わずとも、「それなりの成果」を経営陣から求められている。それなのに「商品がありません」では彼らも立場がない。その結果、何はともあれ商品は確保しておこうという結論に至るわけだ。

コメント2

「記者の眼」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック