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 トヨタ自動車が一風変わったプロモーションを展開しようとしている。対象としているのは1リットル当たり35.4km(JC08モード)という燃費性能を持つハイブリッド車の新製品「AQUA(アクア)」。車名にちなみ、水に関する環境保護活動を全国50カ所で展開するというものだ。

 「AQUA SOCIAL FES!!」と名付けており、各地のNPO(非営利団体)や地方新聞社と連携して、例えば岩手県の北上川や神奈川県の鶴見川流域の環境保護を目的としたプログラムなどを実施する。外部有識者として慶應義塾大学教授でNPO法人「鶴見川流域ネットワーキング」代表理事の岸由二氏や、NPO「Think the Earth」で理事/プロデューサーを務める上田壮一氏の意見を参考に、プログラムの概要を決めた。

50の水にちなんだ環境保護プログラムを実施する(http://aquafes.jp/
「AQUA SOCIAL FES!!」のラッピングが施されたアクア

 活動に参加するのに、アクアを購入する必要はない。趣旨に賛同して環境活動を実施すればよく、1年で1万人の参加を見込むという。

「あくまでプロモーション」の意義

 これまで企業による社会貢献活動はCSRの一環として行われることが多かった。日本での場合は、寄付やメセナ、奉仕活動によるものが主体だった。

 今回のトヨタの試みの新規性は、社会貢献活動を前面に打ち出しながら、あくまでアクアの拡販を目的としたプロモーションとしている点にある。慶應義塾大学の岸由二教授は「従来、市民活動は本格的なプロモーションと提携するということがなかったが、全国50のプロジェクトがいろんなメディアで紹介されて新たな展開が可能となる」とトヨタとNPOなどが組む意義を説明する。

 NPOやコミュニティなどによる草の根的な環境保護活動は、地域に取って重要な役割を果たしている。ただし、本来収益を目的とした活動ではないNPOは、そこに参画する人の高い意識に支えられており、財務的な事情で、継続が難しくなるケースも多かった。

 企業プロモーションとNPOが連携することで、社会貢献活動や慈善事業の継続性が増す可能性が出てくる。言うまでもなく、企業活動は収益を上げ続けることを目的としており、組織としてNPOよりも強い持続性を持つからだ。


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