財務省が25日発表した2011年の貿易統計で、日本の貿易収支が2兆4927億円の輸入超過となり、31年ぶりの赤字に転落したことが明らかになった。2月8日に財務省が発表する2011年の国際収支統計でも貿易赤字となる見通しで、国際収支ベースでは1963年以来約50年ぶりだという。
輸出は前年比2.7%減の65兆5547億円。1ドル=70円台の超円高によって日本の輸出競争力は大きく減殺されている。東日本大震災やタイの大洪水で製造業のサプライチェーンが寸断されてしまったという供給面の制約に加え、欧州の政府債務危機、さらには新興国の景気減速によって、世界経済が再びリーマンショック以来の危機に陥りかねない状況にあるという需要面の悪影響が重なった。
一方、輸入は12%増の68兆474億円。東京電力福島第1原子力発電所事故をきっかけに全国各地の原発が操業停止を余儀なくされ、これを代替する電力源として火力発電所の焚き増しに必要な液化天然ガス(LNG)の需要が急増した影響が大きい。
こうして貿易赤字転落の原因を点検すると、震災の影響に伴う一時的な要因が大きく、2012年は復興需要に支えられた日本経済の復活が待ち望まれるところだ。
「貿易収支改善への逆風続く」
しかし一方で、貿易収支にとっては逆風となる環境が続きそうなことも事実。欧州債務危機はなお抜本的な解決からはほど遠く、今年の世界景気と日本の輸出は米国、そして中国をはじめとする新興国がどこまで復調するかにかかっている。長引く円高に耐えかねた日本企業は雪崩を打つように海外でのM&A(合併・買収)に動いており、国内産業の空洞化が進めば、輸出すべき製品さえ消えてしまうとの懸念が広がる。
輸入面では、4月には全基停止となる定期検査中の原発の再稼働は当面難しく、LNGの輸入増も続きそうだ。イランの核開発疑惑に対する制裁強化策として日米欧がイラン産原油の禁輸措置に踏み切り、イランがホルムズ海峡封鎖を示唆するなど、中東情勢の緊迫を背景に、原油などエネルギー価格は騰勢を強めている。日本の貿易収支が改善に向かうかは予断を許さないところだ。
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