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厳しさ続く2012年の米国経済

  • ノリエル・ルービニ氏

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2012年2月6日(月)

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 ノリエリ・ルービニ氏はニューヨーク大学スターンビジネススクール教授。経済分析を専門とするRGEモニターの会長も務める。
 その先を読む力は折り紙つきだ。
 2008~2009年の金融危機の到来を数年前から予測したことで知られる。 危機が起こるまで、経済の先行きに対する見方は楽観論が主流であった。にもかかわらず、ルービニ氏はこれに抗い、かつてないほどの破綻が訪れると警告した。
 フィナンシャル・タイムズの編集者、ライオネル・バーバー氏は、危機が起こる前「『破滅を予言した』と賞賛されるリービニ氏など、ほんのわずかの人間だけが先を適切に読むことができた」と表現している。

 過去数カ月にわたり、米国では予想を上回るマクロ経済指標の発表が相次いでいる。雇用が増え、製造業やサービス業の景況感指標も穏やかに改善している。住宅業界でさえ改善の兆しが出てきており、個人消費も相対的に底堅く推移している。

 だが、こうした明るい経済指標にもかかわらず、2012年を通じて米国経済の成長は低空飛行を続け、従来のトレンドを下回るだろう。景気に関する最近の好材料をなぜ、額面通りに受け取るべきではないのか説明しよう。

依然としてのしかかる債務負担

 第1の理由は、米国の消費者が依然として所得低下や資産減少に直面し、債務負担に喘いでいるからだ。可処分所得は穏やかに拡大しているが、その大半は減税と社会保障関連の給付によるもので、実質賃金は伸び悩んでいる。

 こうした状況は長続きせず、最終的には財政赤字削減の必要から、社会保障費の削減と増税を余儀なくされるだろう。直近の個人消費は既に数カ月前に比べ弱含みで推移しており、年末商戦の小売り売上高は辛うじて踏みとどまったというのが実態だ。

 一方、米国の雇用拡大は依然として遅々としたペースにとどまっており、失業率を下げたり、労働所得を大幅に改善させる効果を上げるに至っていない。

 米国は失業率を悪化させないためだけでも毎月15万人の雇用を創出する必要がある。失業者の40%以上は既に長期失業者で、こうした人たちが再び仕事を見つけられる可能性は少ないだろう。事実、企業は人件費を圧縮する方法をいまだに模索している。

 所得格差の拡大も、消費の伸びを抑制する方向に働くと見られる。消費性向の高い層(つまり、労働者や低・中所得層)から貯蓄性向の高い層(つまり、企業や裕福な家計)に、所得分布がシフトするためだ。

 加えて、2012年は減税が期限切れとなるのに伴い、企業はいわゆる「テールリスク(発生確率は低いが発生すれば甚大な影響を及ぼすリスク)」を危惧して投資を控えると思われる。最終需要の低迷を受け、設備稼働率も低下するだろう。こうした厳しい見通しを背景に、設備投資及び住宅投資の最近の反発は腰折れする公算が大きい。

 しかも、設備投資の大半は引き続き省力化技術に向けられると予想され、その意味でも力強い雇用拡大は期待できない。

6年経ても下落続く住宅価格

 住宅市場も深刻な不況に陥って以来6年もの歳月を経たにもかかわらず、いまだ回復の兆しが見えない。

住宅ローン残高が住宅価格を上回る家計が200万を超え、差し押さえが価格の下落を招く悪循環が続く(写真:AP/アフロ)

 新築住宅の需要はピークから8割も落ち込んでいるが、今年も住宅価格の下方調整は続くだろう。というのも新築住宅及び中古住宅の供給が需要を上回る状況は解消しそうにないからだ。

 住宅ローンを抱えている家計の最大4割、すなわち200万に上る家計で、住宅ローン残高が住宅価格を上回っている可能性がある。こうした状況では、差し押さえが増加し、それがさらに住宅価格の下落を招くという悪循環は、当分続くと考えた方がよい。

 これほど多くの家計で信用枠が厳しく圧迫されている点を考えると、たとえ消費者の信頼感が改善に向かっているとしても、低迷の域を脱するのは難しい。

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