「特集「消費増税、日本の岐路」」

記者の眼

高校野球から消費税を考える

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2012年2月8日(水)

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 高校野球と消費税について考えてみた。まずは高校野球。

 私はスポーツ観戦が好きだ。中でも高校野球は全国大会の1回戦から全国中継があり、延長戦があっても終わるまで放映される。出身地の代表校を応援したくなるということもあり、春と夏の楽しみの1つである。

 テレビで見る球児たちの実力は野球部ではなかった私にもよく分かる。だから、球児たちを尊敬しているし、彼らを含めた関係者を非難するつもりは毛頭ない。しかし、毎年春に開かれる「センバツ大会」に出場する学校の選び方は、正直に言って、納得ができない。

 私も高校時代は運動部に所属していた。日本の高校生にとって全国大会というのは、あこがれの場所である。だからこそ、「全国」への出場権は客観的なルールの下で決められるべきだ。高校野球では夏の大会は分かりやすい。都道府県大会で優勝すれば全国に進み、その他の学校は敗退である。

 だが、センバツは違う。選考委員会なるものが出場校を決める。今年の出場校については1月28日の毎日新聞に、その選考理由が詳しく書いてある。そして今回、私が納得できないのは、九州地区の選考で重視されたという以下の点だ(毎日新聞から引用)。

 「創成館は準決勝で九州学院にコールド負けしたことがマイナス要因」

 九州でセンバツへの出場権を得たのは4校。記事によると、九州大会において、九州学院に準々決勝で惜敗した宮崎西と、準決勝でコールド負けした創成館が比較されたそうだ。結果として宮崎西を選出したこの選考理由によると、コールド負けと惜敗で惜敗のほうを選んだということになる。

 こんな理由はあり得ない。「ベスト4」は「ベスト8」より上。トーナメント戦では、これが絶対のルールなのだ。コールド負けをするかどうかは、選手の体調にも左右されることだろう。試合を見たわけではないが、試合の行方を左右するイレギュラーバウンドがあったのかもしれない。それも含めて勝負だ。その上で、ベスト4というのはベスト8の壁を超えた者たちだ。もっと言えば、野球は勝敗を競うスポーツであり、サッカーのように点差を含めて順位を競うスポーツではないと私は理解している。

 選考した方々は私のこの意見に反論されるかもしれない。そうならば、やはり恣意的な選び方なのだ。もし、上記の理由で選考するというならば、来年に向けて「地区大会準決勝でコールド負けをした場合は、全国出場はできない」というルールを決め、参加校に周知して理解を得ておくべきだ。

 センバツには地域ごとに出場枠が割り当てられているそうだ。近畿は6校とのことだから、地区大会でベスト8に入っても、2校は漏れる。ならば選考などという過程は設けず、準々決勝で敗戦した4校で出場決定戦をすればよい。4校中2校を選ぶのは、1試合ですむのだから。そして東京の出場枠は「1〜2」。こんなあいまいなことに、よく誰も文句を言わないものだと不思議になる。

「センバツ」と「消費増税時期」は似ている

 さて、ビジネス誌の記者としてなぜ高校野球を語るかというと、これが消費税増税の議論と似ている気がするからだ。

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著者プロフィール

加藤 修平(かとう・しゅうへい)

日経ビジネス記者。日本経済新聞社に入社後、大阪経済部、東京産業部、東京経済部を経て2009年4月より日経ビジネス記者。



このコラムについて

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日経ビジネスに在籍する30人以上の記者が、日々の取材で得た情報を基に、独自の視点で執筆するコラムです。原則平日毎日の公開になります。

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