「資本金ゼロで年商500万ドル」

「1万ドルも払ってトラック2台分のゴミを買ったの!」

生き馬の目を抜く「クローズアウトビジネス」の実態

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2012年2月9日(木)

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 「お金いくらある?」。

 弊社のCEO(最高経営責任者)である主人が聞いてきた。商品の企画や営業は主人の得意とするところだが、はっきり言って金勘定は苦手だ。創業まもない頃から弊社の財布はCFO(最高財務責任者)である私がしっかり握っている。

 一体何を考えているのかと不安に思いながら返答した。

 「どうして?」。

 次に主人が発した言葉には驚いた。

 「トラック2台分の電化製品を1万ドルで買いたい」。

 トラック2台分で1万ドル。量のわりに安いのかもしれないが1万ドルを工面するのは簡単ではない。お金の都合がついたとしても、転売できる代物なのか。そもそも、なぜ単位が「トラック」なんだろう。

 疑いの目で主人を見つめるとCEOは自信たっぷりで次のように説明した。電子レンジからプリンター、DVDプレーヤーなどありとあらゆる電化製品がトラック2台に満載されている。これでたったの1万ドル。マーケティンググッズとしてカジノに転売すれば大儲け間違いなしだと。

 なぜそんなに安いのかと聞くと「クローズアウト商品だから」と言う。クローズアウト商品とは、過剰生産や過剰在庫を処分するため大幅に割引いて販売している商品を指す。会社や店舗の閉鎖に伴う在庫処分商品や、大手小売店で商品として展示した後に売れ残った商品(これをシェルフ・プルという)も含む。

 身内を誉めることになり恐縮だが、何かを思いついてプレゼンテーションしているときの主人の話は説得力がある。CEOがやりたいというのだからCFOとして応えないといけない。なんとか1万ドルを工面し、トラック2台分の電化製品を仕入れた。

 これが弊社のクローズアウトビジネスへの第一歩だった。2007年6月末のことである。結果からいうと、初回の仕入れは大失敗に終わる。

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著者プロフィール

上田 尊江 (うえだ・たかえ)

TransAction Holdings, LLCCFO&Founding Partner
慶応大学商学部卒。A.T.カーニーにてコンサルタントとして金融機関や製造業などのプロジェクトに参加。その後、DLJディレクトSFG証券(現・楽天証券)マーケティング部にてブランディング、PR、CRM戦略を担当。ジャパンエントリーコーポレーションで海外スタートアップ企業の日本参入コンサルティングおよびエグゼクティブサーチに従事後、独立してフリーのマネジメントコンサルタントとして活躍。2006年より渡米、TransAction Holdings, LLC.を設立し、CFOとして輸入事業および多岐にわたるコンサルティング事業を手掛ける。



このコラムについて

資本金ゼロで年商500万ドル

アメリカ人と結婚して渡米、家事のかたわら起業しCFOに就任。資本金ゼロのまま3年間で年商500万ドルに。出産後も引き続き経営に参画。華麗なスーパーウーマンが目に浮かぶかもしれませんが実態は違います。著者によると「細かい戦略と戦術の積み重ねと泥縄の資金繰りでやっと成り立つ事業モデル」だそうです。ブランディングから中国企業への生産委託、社員の採用と解雇など、“ママCFO”の苦労と工夫をお伝えします。

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