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なぜ、フェイスブックやグーグルは日本で生まれないのか

閉鎖的ゆえに時価総額3兆円企業を産み出す中国の産業振興策

  • 坂田 亮太郎(北京支局長)

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2012年2月21日(火)

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 米フェイスブックがついにIPO(新規株式公開)する。上場が認められれば時価総額は1000億ドル(約8兆円、1ドル=80円で計算)に達する可能性もあると言うのだから恐れ入る。2004年の創業からわずか8年余りで、世界のエクセレント企業の仲間入りを果たすことになる。

 180投資クラブのデータによると、2012年1月末時点で時価総額が1000億ドルを超えている上場企業は世界で40社しかない(銘柄としては42あるが、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルと米バークシャー・ハザウェイはA株とB株の両方がランクインしているので1社とカウントした)。

 ランキングを上から眺めると、米国の強さを改めて見せつけられる。時価総額トップ50社を国別に分けると、断トツ1位は米国だ。26社がランクインして、1国で過半を占める。2位が英国(7社)で、3位には中国とブラジルが入った(それぞれ3社)。チャイナモバイル(中国移動通信)は香港市場に上場しているが、実質的には中国企業なので中国にカウントした。

 その後フランス(2社)と続き、残りは日本を含めた7カ国(スイス、オーストラリア、コロンビア、オランダ、ベルギー、メキシコ)となる。日本からは唯一、33位にトヨタ自動車が入った。

 蛇足ではあるが、48位のアメリカ・モービル(America Movil)はメキシコ最大手の通信事業者だ。社名に「アメリカ」と「モービル」が付くものの、米国の石油大手エクソン・モービル(Exxon Mobil)とはまったく関係がない(「綴りを見れば分かるだろ」との聡明なる読者のツッコミは敢えて甘受したい)。

「金盾」は電流が走るイヌの首輪!?

 フェイスブックに話を戻そう。中国大陸からフェイスブックにアクセスしようとしても、「金盾(ジンドゥン)」と呼ばれる中国政府のファイアーウォールに阻止されてしまう。アクセスできないのは、ほかのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)と同様に、反政府活動に利用される恐れがあるためとされているが、金盾の対象は広範囲に及ぶ。

 有名なところでは米グーグルの検索サイトだ。グーグル中国で検索をかけようとすると、すぐに香港のサイトに飛ぶ。検索できなくはないが、実用に耐えない。ブラウザーにインターネット・エクスプローラーを使っていれば、頻繁に「Internet Explorerではこのページが表示できません」という中国語の画面が現れるし、クロームを使っていれば「このウェブページにアクセスできません」という画面が出てくる。

グーグル中国のトップ画面。画面中央の検索窓をクリックすると、香港のサイトに自動的に飛ぶが、使い勝手は悪い

 米ツイッターや米ユーチューブも中国からは利用できないし、百科事典サイト「ウィキペディア」も中国の微妙な話題について調べようとすると接続が遮断される。

 ひとたび接続が遮断されると、その後中国の一般サイトにも繋がらなくなってしまう。パソコンを再起動するとまた繋がるようになるが、極めて面倒だ。恐らく中国政府が好ましくないと判断するサイトを覗こうとする輩には、お灸を据えるために一時的にそのIPアドレスを使えなくしているのだろうと想像している。

 いずれにしても、何度か同じ経験をすると海外のサイトを見に行こうという気持ちが自ずと萎えていく。まるで、鳴き声を感知すると電流が走るイヌの首輪のようだ。飼い主がイヌに吠えさせないようにするために利用する残酷な道具だが、学習効果はてきめんだ。本来は番犬であるはずなのに、3日もすれば鳴かないイヌに変質してしまう。

不自由さが企業を育てる孵化器になる

 金盾の対象は日本のウェブサービスにも広がっている。ヤフージャパンやアメーバなどのブログサービスのほか、ニコニコ動画にも接続できない。ちなみに、日本のアダルトサイトの多くも中国からは見られない(詳細は差し控えさせていただきます)。これらのサイトが中国の反政府活動に資するとはとても思えないが、もしかしたら中国の青少年の“健全な”育成を阻害すると判断しているのかもしれない。

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