「記者の眼」

「選べる自由」という名の不自由

ツイッターがシンプルさを追求するワケ

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2012年2月22日(水)

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 大学生時代、サンドイッチチェーン「SUBWAY(サブウェイ)」でアルバイトをしていたことがある。当時住んでいた家から徒歩1分ほどのところにあったサブウェイは徹マン明けの朝、朝食を取る場として重宝していた。ある時、「いつも食べているから」という理由で店長にその場でスカウトされ、そのままトイレで着替えて働くことになった。

 サブウェイの最大の特徴はなんといっても顧客が自分の好みに応じて仕様を変えられること。パンの種類から始まり、挟む野菜を選んだり、増量したりできる。調味料も複数用意されており、ベーコンやチーズといったトッピングも追加できる。とにかく自分の好きなスタイルで作ってもらえる、「自由」さが売りだ。

 サンドイッチを買いに来たお客さんにまず伝えるのは、「パンの種類はどちらにしますか?」だ。当時は「ホワイト」「ハニーウィート」の2種類だけ(現在はさらに2種類追加されている)。その後、「野菜はすべてお入れしてよろしいでしょうか」「調味料はいかがいたしましょうか」など、色々と顧客の好みを伺いながら、サンドイッチを作り上げていく。

自分好みにできる仕組みの落とし穴

 時々、「オニオンは抜いてください」というお客さんがいたり、「チーズを追加で」というお客さんがいたりする。その頃、パソコン業界ではデル、ゲートウェイといった仕様を自分好みに変えて注文できるBTO(Built to Order)という販売手法が流行っており、画期的な仕組みを取り入れたサンドイッチチェーンで働いているという自負があった。

 ただ、一度だけ強烈に記憶に残る大失敗をしでかしたことがある。注文を伺っている途中に、お客さんが帰ってしまった時だ。

 そのお客さんは恐らく、サブウェイに初来店と思われる高齢者だった。あろうことか私はマニュアル通りに「パンの種類は?」「野菜の種類は?量は?」と矢継ぎ早に質問を浴びせてしまった。ただ何となくサンドイッチが食べたくてふらっと入っただけのお客さんだ。店長には怒られるかもしれないが、黙々とお薦めを作ればよかったと反省した。今のサブウェイでは「お任せ」と言えばお薦め仕様で作ってもらえるが、当時はそのような仕組みがなかった。

 そんな記憶が蘇ったのは先週、携帯電話の販売ショップの店長と飲んでいた時だった。

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著者プロフィール

原 隆(はら・たかし)

日経ビジネス記者。日経BP社入社後は日経パソコンに約7年勤務。その後、日経コミュニケーション、日経ネットマーケティング(現日経デジタルマーケティング)を経て2010年1月よりビジネス編集部に在籍。電機・ITグループ所属、主にインターネット業界担当。趣味は酒と麻雀とピアノ。宮崎県出身、高田馬場在住15年目。「鳥やす」で焼き鳥とビールを飲むのが好き。Twitterアカウントは@haratakashi。飲んだときにしかほとんどつぶやかない



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日経ビジネスに在籍する30人以上の記者が、日々の取材で得た情報を基に、独自の視点で執筆するコラムです。原則平日毎日の公開になります。

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