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中小企業ばかりが泣く電力値上げ

「2年で4割値上げ」に悲鳴

2012年2月23日(木)

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 「こんなに節電しているのに、燃料調整費が上がっていて電気料金はちっとも下がらないんです。しかも東京電力は4月に企業向けを17%も値上げするって言うし・・・。たまりませんよ」

 東京都青梅市を中心にスーパーやパチンコ店など73店を持つオザム(東京都青梅市)の福島光二・常任監査役経営企画室長は肩を落とす。

 昨年6月から東京電力管内で実施された「電力使用制限令」に伴い、オザムでは店舗や事務所の節電を徹底してきた。照明器具の清掃に始まり、スポット照明や演出用照明の消灯、作業時間を調整して休憩室や事務室、バックヤードの通路照明も消した。冷蔵庫も照明を付けるのは上段だけ。温度設定もこまめに見直し、吹き出し口や吸い込み口は定期的に掃除する。

 バックヤードの機器を使わないときはコンセントを抜き、トイレのエアータオルや温水便座の電源も切った。顧客に迷惑がかからないよう、店舗の空調温度の調整などは極力行わないようにしたが、エレベーターは土日以外に停止するなど、地道な節電を従業員一丸となって続けてきた。

 各店舗では10日ごとに電力メーターを確認。電力消費量をこまめに把握することで、その月の電力料金を推定し、不十分な場合は追加の節電対策を講じてきた。

節電努力が消えてしまう

 さらに、契約電力が500キロワット以上の3店舗には、省エネに関するコンサルティング事業を手がけるエスコ(東京都新宿区)の電力消費量の監視装置を導入。電力使用制限令は、15%削減を達成できなかった場合に、500キロワット以上の事業所には100万円以下の罰金を課すとしているためだ。監視装置が警報を発したのは、設置後1度だけ。福島室長は「装置を付けて“見える化”したことで、店長の意識が変わった」と効果を実感する。

 努力のかいあって、7月の電力使用量は前年同月比17.2%減。8月には同25.6%減を達成した。使用制限令が終わっても、前年同月比で15%近い削減を続けている。ところが、電気料金は「前年とほとんど変わらない」(福島室長)。昨年12月は前年同月比14%の削減にも関わらず、電力料金は同98.6%だったのだ。

 その理由が、燃料調整費の高騰だ。電力会社は、火力発電の燃料となる原油やLNG(液化天然ガス)、石炭の価格の変動に応じて、毎月の電気料金に自動的に燃料費を加算する「燃料調整費制度」を採用している。近年の燃料価格の高騰に合わせて燃料調整費も上昇。この2年で2割近くも上がった。昨夏からの必死の節電努力は、燃料調整費の高騰で相殺されてしまったわけだ。

 「4月に17%値上げになったら、この2年で35%も上がる計算です。企業努力だけでは吸収できないところまで来ています」と福島室長。オザムが東電に支払っている電力料金は、年間11億円。売上高の約2%に上る。福島室長は、照明のLED化や監視装置の増設など、設備投資なくして値上げの影響を抑える手段がないのだと明かす。

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「中小企業ばかりが泣く電力値上げ」の著者

山根 小雪

山根 小雪(やまね・さゆき)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション、日経エコロジーを経て、2010年1月から日経ビジネス記者。エネルギーを中心に、自動車や素材など製造業を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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