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なぜ、人民元が安くなったのか?

資本の自由化が相場を不安定に

2012年2月24日(金)

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 余永定(Yu Yongding)氏はマクロ経済、国際金融の専門家。

 中国の金融・経済政策の最前線に携わった経験を持つ。中国人民銀行では金融政策委員会の学術委員を務めた。国家発展和改革委員会が第11次5カ年計画を作成する際には、諮問委員として携わった。

 中国社会科学院の大学院で1986年に経済学修士を、英オックスフォード大学で1994年に経済学博士を取得。中国社会科学院世界経済与政治研究所の所長を務めた。

 2005年7月から一本調子に上昇を続けていた中国人民元(RMB)は2011年12月に、予想外の下落に転じた。中国人民銀行(RBOC)が設定した1日当たり許容変動レンジの下限を11営業日連続でつけたのだ(ストップ安)。その後、人民元は緩やかな上昇基調に戻った。この出来事は人民元相場の基調に根本的な変化が生じたことを示唆している可能性がある。

 従来は、中国の貿易収支が黒字で、海外直接投資が流入超過(純流入)となっている限り、人民元には上押し圧力がかかった。短期的な資金フローは人民元相場の上下にほとんど影響を及ぼさなかった。

 これには2つの理由があった。第1の理由は、穴だらけとは言え実効的な資本統制により、短期の「ホットマネー」(裁定や利鞘稼ぎ、投機目的で流入する資金)が自由かつ迅速に市場に流入/流出することができなかったことだ。

 第2の理由は、短期の資本フローは概ね、人民元の上昇圧力を――緩和ではなく――強めるように作用してきたことである。これは、人民元相場の穏やかな上昇を容認する中国政府のスタンスをふまえて、投機家が人民元上昇期待に基づくポジションを取ってきたことによる。

 ではなぜ、中国が依然としてかなりの額の経常黒字を計上し、長期資本収支が黒字であるにもかかわらず、人民元が突然下落したのだろうか。さらなる下落を食い止めるべく、人民銀行は――小幅とはいえ――介入を余儀なくされた。

 海外のエコノミストの多くは「経済のハードランディングを阻止するため、中国当局が人民元の上昇に歯止めをかける(もしくは減速させる)との観測が強まり、2011年12月の人民元の下落を招いた」と見ている。しかし、そうした見方が正しいなら、今頃は長期資本の大模な流出が起こり、中国の外国為替市場において人民元が対ドルで大きく売られていてよいはずだ。

 だが、このどちらも起きていない。より重要なことは、中国経済に対する投資家の弱気センチメントは変わっていないにもかかわらず、12月の下落の後ほどなくして、人民元が緩やかな上昇を再開したことだ。

自由化で、大陸・香港間を資金が移動

 実際には、12月に起きた人民元の急落は、中国が国境を超えた(クロスボーダー)資本移動の自由化に踏み切ったことを反映している。2009年4月に人民元貿易決済スキーム(RTSS)が試験導入され、資本移動の自由化プロセスが始まった。これにより、大企業を中心とする企業の中国本土と香港間の資本移動が初めて可能になった。さらに、スキームの一環として、CNH市場として知られるオフショア人民元市場が香港に開設された。現在はCNY市場と呼ばれている中国オンショア市場とともに機能している。

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