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 携帯電話産業にとって年間を通じて最大の国際見本市であるモバイル・ワールド・コングレス(MWC)が、今年もスペイン・バルセロナで開かれている(2月27日〜3月1日)。残念ながら現地に取材に行くことができなかったが、各メディアの報道を目にする範囲では、日本勢の存在感は低い。

 日本の携帯電話機メーカーの存在感の薄さ、もっとはっきり言えば凋落ぶりは、統計データからも明らか。情報通信ネットワーク産業協会の資料によると、2010年度の携帯電話機の輸出額は前年度比89.7%減の15億円。ファクシミリの輸出額(13億円)を若干上回るものの、コードレスホンの輸出額(16億円)を下回る水準だ。ファクシミリやコードレスホンの市場規模を考慮すれば、円高だけを理由に日本製携帯電話機の輸出額の低さを説明するのは難しい。

携帯電話機の輸出額はコードレスホンより少ない

 一方、2010年度の携帯電話の輸入額は5049億円と同63.2%増加した。製品別の内訳データはないため確実なことは分からないが、輸入額の大幅な増加は、米アップルのスマートフォン「iPhone」人気によるものだろう。同時期の携帯電話の国内生産額は6231億円と同21.3%減少している。輸入額が国内生産額を逆転するのは時間の問題だ。

 それでも、携帯電話機が国産電機メーカーにとって有力な消費者との接点の1つであることに変わりはない。国内向けであれば、生産した全量を基本的に通信会社が買い上げてくれるため、在庫リスクも低い。ブランドの存在感を維持するためにも、できれば撤退は避けたいというのが本音だろう。

 ただ現状のままで携帯電話機事業を継続してもなかなか将来の展望は描きにくいのも事実。こういった葛藤のなかで、国産メーカーは携帯電話機事業についてさまざまな決断を下してきた。

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