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ギリシャはドイツの食い物にされた

怒るアテネ市民、露呈した欧州拡大戦略の暗部

  • 大竹 剛(ロンドン特派員)

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2012年3月7日(水)

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 欧州のユーロ危機対応が佳境を迎えている。ギリシャの無秩序なデフォルト(債務不履行)を回避するための、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)による1300億ユーロ(約14兆円)の第2次支援策が合意に達したことなどにより、金融市場は落ち着きを取り戻しつつあるかに見える。

 だが、仮にギリシャがデフォルトを回避できたとしても、今回の危機は、これまでユーロ導入よる経済成長が覆い隠してきた、欧州統合の暗い側面を浮き彫りにした。それは、ギリシャなど欧州周辺国の一部の国民が抱く、「ドイツに食い物にされた」という不信感だ。

 EUが進める欧州の統合・拡大戦略には、分かりやすく言えば2つの側面がある。何世紀にも渡って戦争に明け暮れた欧州に平和をもたらそうという政治的な側面と、巨大な単一市場を創造し持続的な成長を可能にしようという経済的な側面である。

 確かに、リーマンショックが起きるまでは、ドイツなど欧州の中心国もギリシャなどの周辺国も、平和と成長を謳歌していた。だが、ユーロ危機によって、その2つが崩れ始めているようにも見える。

火を放たれたアテネ、アナーキストがデモに便乗

 2月12日、ギリシャの首都アテネは、まるで内戦でも起きているかのような騒ぎだった。国会議事堂をアナーキスト(無政府主義者)が占拠しようとしているという噂が流れ、暴徒が乱入しないように警官隊が四方を固めた。数多くの民間銀行に加え、中央銀行、財務省、さらにはスターバックスなど外資企業を狙い撃ちするかのように、建物に火が放たれた。

ドイツやEU(欧州連合)がギリシャに対する第2次支援策を提供するために様々な条件を付けたことにギリシャ国民が怒りを爆発。2月12日、アテネで起きた暴動では、銀行や外資系企業の建物に次々と火が放たれた。写真は燃やされたスターバックス店。

 きっかけは、ドイツ、オランダなど欧州のトリプルA諸国やIMFが、第2次支援策を実施する条件としてギリシャ側に迫った財政緊縮策だ。メディア各社は、トリプルA諸国の一部で、「ギリシャがデフォルトし、ユーロを離脱することもやむなし」といった意見まで出始めていると報道し始めていた。こうした外圧に抗議するため、アテネ市民は大規模なデモを開始し、そこに一部の無政府主義者が便乗して大混乱に陥った。

 デモの翌日、アテネ市内は無残な姿をさらけ出していた。高級ホテルやオフィスビルの玄関を飾る大理石の階段や壁は、ことごとく破壊されていた。警察に投石するための“武器”に、大理石が使われたからだ。携帯電話ショップなど、ショーウィンドウのガラスが割られた店舗も少なくない。略奪行為もあったのかもしれない。火を放たれた銀行などからは、机や椅子など焼け崩れたオフィス家具が次々と運び出されていた。

デモで燃やされた商業施設と銀行

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