• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

日本の課題は政府が政府を改革しなければならないこと

デフレ、低成長、少子高齢化が財政赤字を拡大

  • 向山 英彦

バックナンバー

2012年3月13日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

日本では通貨危機はないものの…

 これまで経常赤字の拡大から通貨危機にいたった韓国の動きを見てきた。第1回で触れたように、当時の韓国と今日の日本が置かれた環境は異なっている。

 第1に、経常赤字に至った要因である。韓国では財閥企業が国内外から大量の資金を調達して、野放図に事業を拡大したことであった。貯蓄・投資バランスで言えば、民間部門で投資が貯蓄を著しく上回った。

 これに対して日本で考えられるシナリオは、政府部門の赤字幅が民間部門の黒字幅を上回って、経常収支が赤字に転落するというものである。

 第2に、為替制度である。韓国は通貨危機前、「事実上のドルペッグ制度」を採用していた。変動相場制下では経常収支が赤字になれば通貨が下落し、それが輸出の拡大(輸入の抑制)を促して経常収支を改善する。「事実上のドルペッグ制度」下ではこうした修正メカニズムが働かいないため、危機の度合いが増したと言える。

 独立した金融政策、安定した為替レート、自由な資本取引の3つが同時に成り立たない(「国際金融のトリレンマ」)ように、資本取引の自由化が進めば「事実上のドルペッグ制度」はいずれ破綻する運命にあった。

 第3に、金融システムとコーポレート・ガバナンスである。韓国では脆弱な金融システムとコーポレート・ガバナンスの機能不全が危機を深刻化させた。日本ではバブル崩壊後、十分とは言えないにしても、改革が着実に進んでいる。

 それでは、日本は韓国が経験したような深刻な事態に陥らないと安心していいのだろうか。もちろん、安心はできない。確かに、経常赤字の拡大→通貨危機→IMF管理下というルートはあり得ない。だが、財政赤字の膨張→経常赤字の拡大→IMF管理下というルートが消えたわけではない。これは極端な想定だとしても、財政赤字の拡大により、経常収支が赤字へ転落する可能性はある。

低成長、貯蓄率低下が日本のアキレス腱

 以下の3つがその可能性を高める。第1に、デフレ下で名目GDP成長率のマイナスが続けば税収が大幅に減少する。第2に、少子高齢化に伴い民間貯蓄率が低下傾向にある。

 第3に、国債の消化を海外資金に依存する度合いが増せば、財政を一段と悪化させる。政府の債務残高がGDP比で200%を超えた我が国の長期金利が低位安定しているのは、国債の大半を国内資金で消化できたからである。この構造が崩れれば、長期金利が上昇し、(1)国債価格の下落、(2)政府利払い費の増加、(3)内需の抑制などをもたらす。

コメント0

「経常赤字転落の先にある危機~韓国通貨危機からの教訓」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック