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エーザイが放つ「価格ゼロの薬」

製薬業界の常識は変わるのか

2012年3月8日(木)

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 「価格はゼロ。究極のアフォーダブル・プライシング(患者が購入しやすい価格)だ」。エーザイの内藤晴夫社長は3月1日に開催した説明会でこう宣言した。

 薬の値段がタダと聞けば患者にとってこんな良い話もないが、もちろんある条件の下のみの話だ。熱帯病に苦しんでいるが、それに対して十分な対価を払う経済的余力がない国のみが無償提供を受けられる。

ゲイツ財団などと共同宣言

 エーザイがこの取り組みを発表したのは1月末のこと。ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団、世界保健機構(WHO)、米国および英国政府、世界銀行などと共に、2020年までに「顧みられない10の熱帯病(NTD)」の制圧に向けて共闘していくという共同声明「ロンドン宣言」を発表した。エーザイはリンパ系フィラリア症制圧のため、WHOにDEC(ジエチルカルバマジン)22億錠を無償で提供する。エーザイの費用負担は30億円を超える。 ロンドン宣言には米ファイザー、仏サノフィ、独メルク、スイス・ノバルティス、英グラクソスミスクラインなど、エーザイを含め世界大手13社が加わっている。

 リンパ系フィラリア症の患者は世界に約1億2000万人いると見られる。多くは成人期に発症する病気で、発作や障害によって働くことができなくなる。患者が差別的な扱いを受けることもあるという。ただでさえ経済的に豊かでない地域において、働けず貧困に陥るということの意味は重い。

 今回の取り組みで、熱帯地域に住む多くの患者が救われる可能性がある。その志の高潔さは、万人が肯首するところだろう。

 だが、内藤社長は発表会で「これはCSR(企業の社会的責任)の枠組みで実施するのではない」と繰り返した。あくまでも「新興国の健康福祉を向上して経済発展や中間所得者層の拡大に寄与することは、将来の市場形成への長期的な投資である」と主張する。

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「エーザイが放つ「価格ゼロの薬」」の著者

広岡 延隆

広岡 延隆(ひろおか・のぶたか)

日経ビジネス記者

日経コンピュータ編集部、日本経済新聞産業部出向を経て2010年4月から日経ビジネス編集部。現在は自動車など製造業を担当している。これまでIT、電機、音楽・ゲーム、自動車、製薬産業などを取材してきた。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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