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中国の経済成長に潜むリスク

大きすぎる政府の役割と所得格差

2012年3月12日(月)

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 姚洋(Yao Yang)氏は北京大学中国経済研究中心教授。経済開発の専門家。

 1986年に北京大学で地理学士を、1989年、北京大学で経済開発の修士を取得。
 1996年、米ウィスコンシン-マディソン大学で経済発展の博士を取得。

 米ウィスコンシン-マディソン大学の農業・応用経済学部で客員准教授、日本国際大学の国際関係大学院で客員教授、米スタンフォード大学国際開発センターで准教授、米コーネル大学社会学部で客員研究員を務めた後、北京大学の中国経済研究中心で教授。

 すべて順調にいけば、中国は2021年までに、名目ベースで米国をしのぐ世界最大の経済大国になる――実質ベースではさらに早い時期に達成するだろう。国民1人当たりの所得は、現在の高所得国の下位層に匹敵する水準に達する見通しだ。だが、中国経済は高い成長性を有しているにもかかわらず、今後数十年にわたって、様々なリスクに直面することになるだろう。

 足元のリスクは欧州の景気低迷、もしくは景気後退の長期化だ。過去10年にわたって中国では、輸出の伸びが経済成長全体のほぼ3分の1を占めてきた。そして輸出の約3分の1がEU向けだった。欧州情勢が悪化し続ければ、中国の経済成長は打撃を免れないだろう。

 国内マクロ経済政策の過度の引き締め――とりわけ不動産市場をターゲットとする緊縮策――も景気失速リスクを高める恐れがある。政府の引き締め措置を受けて、現在、中国全土で住宅価格が下落している。事実、現在の状況は1997年のアジア金融危機当時と酷似している。当時、危機が発生する数年前から中国はインフレ抑え込みに注力していた。経済はソフトランディングに向かっているように見えた。だが財政緊縮策と折からの金融危機が重なって、中国は数年に及ぶデフレと大幅な成長鈍化を余儀なくされた。

 今日、中国は中期的な発展を視野に入れて、政府が経済に対して大きすぎる影響力を行使している問題に対処しなければならない。世界銀行は先ごろ発表した報告書で、国有企業の改革の遅れが同国の経済成長を阻む最大の要因だと警鐘を鳴らした。しかしこれは、より根深い問題、すなわち政府が経済において支配的な役割を果たしていることの1つの症例にすぎない。

大きすぎる政府の役割

 中国政府はGDPの25~30%を直接コントロールしている。さらに、金融資源の大半を握っている。近年、銀行融資額の3分の1以上がインフラ整備に向けられてきた。その大半に政府系機関が携わっている。実際、インフラへの過剰投資を認識し、中国政府は最近、既に建設中だった高速鉄道プロジェクトの一部を停止した。だが政府の過剰投資は高速鉄道プロジェクトにとどまらず、無数の工業団地やハイテクゾーンでも鮮明になっている。

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