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なぜ経常赤字を見て、資本収支の黒字は見ないの?

国際収支統計の正しい読み方2

  • 吉本 佳生

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2012年3月19日(月)

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 国際収支の定義の第3のポイント「体系的に」について解説する。同時に、国際収支統計の各収支の関係も整理する。もし「経常収支の赤字化が日本国債の金利を上昇させる」のであれば、それは2011年に起きていたはずであることが分かる。実際にはそうなっていないので、この論理はどこかおかしい。

国際収支は複式簿記~すべて足せばゼロになる

 国際収支統計の定義で「体系的に記録」とあるのは、「複式簿記」の考え方に沿って記録するという意味だ。企業会計と同じやり方で集計・整理している。ここで注意すべきことが2つある。まず、複式簿記は1つの取り引きを2つの面で捉えるから、すべての項目で金額を合計すると、ゼロになる。国際収支統計は、すべての収支を合計する(ただし、重複しないように合計する)と、ゼロになるのである。

 だから、どれかの収支が大幅に赤字を膨らませると、他の収支の黒字が増える調整が必ず働く。私たちは、この調整が起きた後のデータしか見ることができない。

 国際収支統計は、以下の表のように整理できる。拙著『日本経済の奇妙な常識』(講談社現代新書、2011年)の電子版から引用した。

 経常収支の赤字化が日本国債に与える悪影響を心配する人たちは、経常収支が赤字化すると、日本は海外からおカネを借りる側の国になってしまう。国内の資金で賄うことできなくなると、日本政府の新規の国債発行が難しくなる。国債の金利も上がると言う。これは、原則として下記の式が成り立つ前提で論じているからだ。

  経常収支の黒字 = 資本収支の赤字
  経常収支の赤字 = 資本収支の黒字

 大まかに説明すると、モノやサービスからなる実体経済面での各種対外経済取引を集計した結果が経常収支。おカネの貸し借りなど金融面の対外経済取引を集計したものが資本収支である。日本は、日本政府の外貨準備の増減をわざわざ別項目にしていて、これを「外貨準備増減」と呼ぶ。加えて、国際収支統計はアバウトにならざるを得ないところが多々ある統計なので「誤差脱漏」という項目も用意している。以上の4つで国際収支統計を構成している。すべてを合計するとゼロになる複式簿記に基づいているから、そうなるように誤差脱漏のところで調整する。

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