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巨額の流動性供給はインフレを招くか

2012年はその見極めの重要な年となるだろう

  • クレム・チェンバース

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2012年3月13日(火)

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 おカネとは水のように流れるものである。これを忘れてはならない――。

 多くのエコノミストは、米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)が量的緩和(QE)や巨額の資金供給を行っても、あるいは財政赤字の補填及び低金利政策を実施しても、経済をコントロールすることは可能で、インフレなど引き起こすことは絶対にないと信じている。

 なぜそう信じているかと言えば、資金供給を増やしても、ただでさえ資金が市場を流通する速さが遅い今、その資金が市場を流通するスピードを加速させたりすることはできないと考えているからだ。つまり、資金が流れるスピードを加速させることは、極めて難しいということだ。

 ただ、そうではあるが、だからこそ欧州及び米国の経済及び政治が破綻しないようにこれだけの大量の資金投入が正当化されているとも言える。

過去100年、政府による資金コントロールは失敗の連続

 QEを行ったり、金融機関に低金利で大規模の資金供給をしたりすれば、通常は悲惨な結果を招く。冒頭に書いたように、資金は水のように流れるものなので、その政策に少しでも欠陥があれば、資金は必要な方面に向かうことを拒絶し、むしろ向かって欲しくない方面や間違った場所にプールされることになるからだ。

 実際、過去100年の歴史を振り返っても、政府がよかれと思って資金の流れをコントロールしようと何度も試みたが、その結果はまさに数知れない失敗の連続だった。

 資金の流れ、分配は、市場にまかせるのがベストである。なぜなら一般の投資家は間違った仮説を信じ、その結果損失が生じた場合、その事態に対して決して長く持ちこたえることはできない。つまり、一般の投資家は次から次へと試行錯誤を繰り返しながら効率的なシステムを見つけていく。

 これに対し政府のように巨大な存在は、たとえ間違った市場のロジックに基づいて資金を投入したとしても、巨額の資金を投入し続ける力があるだけに、凄まじく大きな問題を作り出してしまう。

 政府が行うことが短期的には正しいように見えるのは莫大な資金を持っているからだ。だが、長い目でみた場合には、やはり経済のロジックが勝つことになる。

 先進各国の政府は現在、何としても自国経済をデフレに陥らせてはならないと思い戦っている。だが、一般市民の多くは、今の金融緩和政策を続ければ、早晩、インフレがやってくると思っている。

 金の価格が高騰しているのはそのためだ。実際、米国や欧州ではガソリン価格や散髪代は上がる一方だ。

 ある程度、年齢のいった人なら、「これはかつて見たことがある光景だ」と感じているだろう。

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