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「ケイマンを使う運用会社には預けない」では何も解決しない

規制より自衛。企業と個人は最低限の知識を身に付けるべき

2012年3月23日(金)

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 オリンパス事件の余韻が覚めやらぬうちに今度はAIJ投資顧問による1500億円から2000億円にものぼる「年金消失問題」が大きく報じられています。事件の詳細はまだ明らかにはなっていませんが、どうやら何万もの人々の年金受給に悪影響が出そうです。

 たいへん正直なところ、AIJ事件の報道を見た最初の感想は「またか」というものでした。半ば呆れたというものです。

 この事件の本質は、企業年金の責任者が金融の素人であったことと、その素人が運用の内容とは関係のない社会保険庁か何かの人的なつながりなどで怪しい投資顧問に年金運用を委託したことだと思います。もちろん、AIJの運用が下手だったことや、その事実を隠したことも問題であることは間違いありません。

 しかし、このような事件は、金融に関する初歩的な知識があれば防げた事件ではなかったかと思います。それだけに残念です。

うますぎる話のウソを見破る方法

 たとえば、AIJ投資顧問は、2008年のリーマンショックによる金融市場の激震を乗り切って高い絶対運用利回りを実現していたと言っていたそうです。

 結局、それはウソで彼らは顧客をだましたことになります。しかし、そういうウソを見破る簡単な方法があります。それは、「どうやってそんなことが可能だったのですか?」と聞くことです。おそらくまともな答えは返ってこなかったはずです。その答えがまともかどうかは、最低限の金融の知識があれば判断できたでしょう。

 事実、今回の事件では、だまされた企業年金がある一方で、だまされなかった年金などの投資家も大勢います。だまされた人たちとだまされなかった人たちの違いは、要するに金融に関する知識と経験の有無だと思います。

 思い返せば、今から十数年前にも似たような事件がありました。かの「プリンストン債」事件です。プリンストン債でも多くの大企業がだまされました。

 私は、当時プリンストン債の勧誘を断った投資家から話を聞いたことがあります。それは全くの笑い話です。

 その人は、プリンストン債のセールスマンが「相場が上がっても下がっても儲かる方法で運用している」と説明したので、ただ一言「どうやって?」と聞いたとのこと。ところが、その問いに対する回答があまりにデタラメだったのでもう相手にしなかったそうです。

コメント16件コメント/レビュー

結果論に過ぎないでしょう。AIJに投資していた人達は高い運用利回りをノルマとして課されていたという背景があります。サラリーマンとして運用していただけで、所詮は他人のお金なので、自分が担当している間は(見せかけでも)高い運用利回りになるのであれば、多少怪しくても投資するインセンティブが働きます。特に、他の基金も投資していると聞けば、横並び意識も加わります。「金融のプロ」であれば投資しなかったというのであれば、マドフ事件は起こらなかったでしょう。ファイナンスの知識が必要なのは確かですが、前提が無理矢理な為に、逆に説得力を失ってしまっているのが残念です。(2012/03/25)

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結果論に過ぎないでしょう。AIJに投資していた人達は高い運用利回りをノルマとして課されていたという背景があります。サラリーマンとして運用していただけで、所詮は他人のお金なので、自分が担当している間は(見せかけでも)高い運用利回りになるのであれば、多少怪しくても投資するインセンティブが働きます。特に、他の基金も投資していると聞けば、横並び意識も加わります。「金融のプロ」であれば投資しなかったというのであれば、マドフ事件は起こらなかったでしょう。ファイナンスの知識が必要なのは確かですが、前提が無理矢理な為に、逆に説得力を失ってしまっているのが残念です。(2012/03/25)

投資銀行に在籍した際の研修においてトレイナーが言っていたことは、私たちのお仕事はリスクを他のところに回し、サヤ取りを確実に行うことが仕事であると強調していました。金融商品などは特にいい例だったのでしょうが、ハイリスクなものをローリスク・ハイリターンであるかのような説明でお客を引き寄せるというモラルの欠如、また、お客の方も中身をしっかりと理解せずに購入するといった「自己責任の欠如」双方に問題があるかと思われます。たしかに、金融商品の中身を理解するのは難しい部分もあるので、こういった方たちのために、小学校の頃から「内容が理解出来ないものには手を出さない」ということを教えることが重大かと思われます。そのうえで、「内容が理解できた場合においては、リスクを取ることのメリット・デメリット」を考えることの大切さを教えていただける日が来ることを願うばかりです。(2012/03/24)

「プロがやらないから失敗した。俺ならもっと上手くやった」プロの方々は往々にしてそう仰いますね。今回のお話ではAIJの社長の言葉と大差がありません。はたして普通のプロより高い次元の話ができるのか、次回以降に期待しております。(2012/03/24)

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三品 和広 神戸大学教授