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貯蓄・投資バランスから見た国債暴落の危険性

カギを握るデフレギャップの存在

  • 吉本 佳生

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2012年3月26日(月)

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 財政赤字や、経常収支の黒字・赤字など、日本やアメリカが抱えるマクロ経済の諸問題――これらを「貯蓄・投資バランス」から分析するやり方は、1980年代半ばに定着した。日米両国とも、当時から財政赤字の拡大が問題視されていた。経常収支と貿易収支は、日本が黒字、アメリカが赤字で、日米間の貿易摩擦が激しかった。

 その背景に日米の貯蓄・投資バランスの問題があると認識し、日米政府が臨んだのが、1989~1990年の「日米構造協議」であった。アメリカ政府にとって最大の成果は、日本政府がその後10年間にわたる巨額の公共投資を約束したこと。経常収支黒字を減らすことを目的に、日本政府は計430兆円(後に630兆円に増額)の公共投資を行った。

 こうした議論は、次の貯蓄・投資バランスの式を前提にしていることが多い。

(民間貯蓄-民間投資)
(輸出等-輸入等)+(政府支出-税)(1式)

 これを、それぞれのカッコ内が意味する用語に置き換えると、

民間部門の貯蓄過剰=経常収支黒字+財政赤字(2式)

ここでの輸出等・輸入等には、海外との要素所得の受け払いを含む
財政赤字は、政府部門におけるフロー(1年間)の財政収支赤字

 アメリカ政府が80年代に、公共投資の大幅増加を日本に要求したのは、日本の財政赤字を拡大させれば、経常収支黒字の縮小につながり、日米の貿易不均衡の縮小をもたらすと期待したからである(下図参照)。

 当時、多くの専門家が、日本の民間部門の貯蓄過剰はなかなか縮小しないと見ていた。だから、経常収支黒字と財政赤字の間にはトレードオフの関係がある――どちらかを減らせば、他方が増える――という前提で、政策を論じていたのである。

 最近は家計部門の貯蓄率が低下しており、いずれ貯蓄不足になるのではないかと懸念する人たちがいる。家計部門の貯蓄率が低下した上で、「もし経常収支が赤字に転じると、日本国内(日本の民間+政府)が貯蓄不足になり、日本は海外からの資金流入に頼るしかなくなる」「すると、日本国債が消化できなくなって、金利が高騰しかねない」という意見がある。

 本稿は、この論理について検証する。

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