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世界経済にリスクを招く中東不安

  • ノリエル・ルービニ氏

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2012年3月29日(木)

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 現在の原油価格上昇の要因は、需給逼迫ではなく、中東情勢に対する不安プレミアムだ。米大統領選を控え、現時点でのイラン攻撃の可能性は低いが、危険性は高まっている。中東全域に不安要因は多く、原油価格が高騰すれば世界的景気後退もあり得る。

 今日の脆弱な世界経済は数々のリスクを抱えている。具体的には、ユーロ圏諸国の間で再び信用リスクが浮上するリスク、中国の景気減速が予想を上回るリスク、米経済の回復が(またしても)つまずくリスクと様々ある。しかし、何より大きいのは、原油価格のさらなる高騰が招くリスクだ。

原油価格高騰の原因は中東情勢

 北海ブレント原油価格は、2001年には1バレル=100ドルを大きく下回っていた。だが、最近の最高値は1バレル=125ドルをつけており、おかげで米国のガソリン価格は、1ガロン当たり4ドル(*1)という、消費者の心理を損なうラインに近づいている。ガソリン需要が高まる夏には、価格はさらに上昇するはずだ。

*1=1リッター当たりに換算すると88円

 この原油価格上昇の要因は、不安にある。原油の供給量は十分にあるだけでなく、米国と欧州における需要は低迷気味だ。ここ数年、クルマの利用が減少しているうえ、米国でもユーロ圏でもGDP(国内総生産)の成長率は極めて低いか、あるいはマイナスに陥っているためだ。一言で説明すると、イスラエルとイランの軍事衝突に対する懸念が「不安プレミアム」を生んでいるということだ。

 2008年のリーマンショック以前に発生した、過去3回の世界的景気後退を振り返ると、いずれも中東の地政学的事件が原因となって、原油価格の急騰を招いたことから始まっている。

 まず、1973年のイスラエルとアラブ諸国による第4次中東戦争が、74~75年の世界的スタグフレーション(景気後退期のインフレ)を引き起こした。

 そして79年のイラン革命が、80~82年の世界的スタグフレーションにつながった。90~91年の世界的景気後退のきっかけとなったのは、90年夏のイラクによるクウェート侵攻だった。

 今回の世界的景気後退も、直接のきっかけは金融危機にあったとはいえ、2008年の原油価格の高騰により事態はさらに悪化した。

 1バレル=145ドルをつけたこの2008年7月が、原油を輸入する先進国でも新興国でも、景気後退における1つの分岐点となった。

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