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新しい事業、新しいアイデアを生み出す組織を考える

  • 石井 力重

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2012年3月29日(木)

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「創ること」をマネージメントするのは難しい。

 創ること、それ自体についての体系的知識がないわけではない。CTO(chief technology officer 最高技術責任者)を対象とした授業には、イノベーションのマネージメントの項目がある。

 現場で日々活動する技術系リーダーたちには、VE(価値工学)やTRIZ(「発明的問題解決の理論)といった開発工学がある。「もっと手軽に」という向きには「新しいアイデアを創出する方法」として、アイデア発想法の本がある。組織でいえばトップ、ミドル、現場リーダー、担当者、それぞれに前に進むための有効な知識はある。それなのに、そうした知識を組織で活かすのが難しい。なぜか。

震災で変化が加速。新しいことに挑戦せざるを得なくなってきた

 筆者は、「創造工学」、特に「アイデア創出のプロセス」が専門である。そのエッセンスから「ブレインストーミングを促進する道具」を作る、という変わった仕事をしている。その関係で、開発過程の初期段階における「アイデア創出の仕組み」について、ディスカッションする機会が多い。実際に、組織内でアイデアを創出するワークショップをすることもしばしばある。訪問先は多岐にわたる。光学機器、自動車、食品、半導体、広告、携帯、文具、ゲーム、ガラス、農業、金融、IT、エネルギー、メディア。ほぼ大企業しかいない業種もあれば、老舗からベンチャーまでが入り乱れての業種もある。

 こうした訪問企業を振り返ってみるまでもなく、かつて日本企業には上昇気流が吹いていたのだと思う。そこには「未来」があった。我流だろうがなんだろうが構わない。仮に失敗しても構わない。失敗しても挽回できるだけの次のチャンスがある。だから、誰もが精いっぱいやり、思いっきり失敗することもできた。この失敗こそが大事。「失敗からの学び」は示唆深く、次につながった。

 だが、現代は違う。次の機会がいつ来るかが分からない。毎回毎回、成功しなければならないのだ。それなのに、かつて「挑戦と創造」をたっぷり経験した世代の人たちは現場を離れてしまった。若い世代は新しい事業に関心があっても組織の中で新しいことに挑戦する方法を知らない。経験的なノウハウを伝える上司もいなければ、予算も権限もない。だから大きな挑戦は難しいし、次のノウハウは一向に残らない・・・。シュリンクしていく構図が出来上がってしまった。

 だが、こうした状況にちょっと変化が起こり始めている。

311が転機になる

 2011年3月11日。あの日から1年が過ぎた。この1年の間、日本企業は何をしてきたのか。私がお付き合いしている企業の間では、新規事業や新商品に挑戦する動きが目立ってきた。「保守的」と考えられていた企業でさえも、社内で様々なアイデアを募り、自社の保有技術や利用可能な部材を使い、何か新しい事業、新しい製品を作れないか、と模索を始めているのだ。

 あの震災は日本に緩やかに進行していた「下降トレンド」を加速させた。緩やかな下り坂だったところは急な下り坂になった。いわゆる「ゆでガエル」現象はゆっくりと温度が上がっていくから誰も気が付かないのであり、熱湯が急に注がれれば、皆、熱くてジャンプする。保守的な日本企業の部門長たちも、自分の在任期間中にも、もはや事業が立ち行かなくなる可能性が高いことが見えてきたならば、短期的に実る何か新しいことをやらねば、という考えになってきた。

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