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所得収支を増やしたければ、対外直接投資の利益率向上を

所得収支黒字は必ずしもお金の入りを意味しない

  • 吉本 佳生

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2012年4月16日(月)

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 日本の所得収支黒字について、これをいかに増やすか、また、この黒字をいかに日本国内で活用するかといった議論を目にする。そもそも、所得収支を増やしたり活用したり、政策で何とかできるものなのだろうか。筆者にはよく分からない。とはいえ、経常収支の赤字化を心配する人たちが、所得収支の黒字を増やす方法を考えようとする気持ちは分かる。

 所得収支の黒字を増やす方法については、アメリカの対外純資産残高が大きなマイナスなのに、所得収支が黒字である理由を探ることで、ヒントが得られそうだ。ただし、前回指摘した点は参考にならない。

対外直接投資の利益率を高めることが王道

 アメリカの所得収支が黒字である原因は、対外投資(アメリカ企業などによる海外投資)の利益率が、平均的に見て、対内投資(アメリカ以外の企業などによるアメリカへの投資)の利益率より高いことにある。分かりやすさを優先して、日米関係に絞ったデータを見てみよう。

売上高経常利益率(単位:%)

  2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 平均
外資系企業 5.2 5.2 5.8 5.3 5.6 3.0 4.2 4.9
アメリカ系企業 7.6 7.8 7.9 7.5 7.2 7.4 9.1 7.8
アジア系企業 0.3 0.5 0.2 0.9 1.0 0.9 1.1 0.7
ヨーロッパ系 4.8 4.6 5.5 4.8 5.6 2.5 3.2 4.4
全法人企業 2.7 3.1 3.4 3.5 3.4 2.4 2.3 3.0

出典:外資系企業は『第44回外資系企業の動向(平成22年外資系企業動向調査)』
   経済産業省貿易経済協力局編,2011年
   外資系企業動向調査は金融・保険業,不動産業を除いた値
   全法人は『法人企業統計』財務省

売上高経常利益率(単位:%)

  2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 平均
現地法人・全産業 2.8 3.4 3.9 4.2 4.7 4.9 3.5 4.4 4.0
製造業 4.1 4.5 4.9 4.8 5.0 5.2 3.0 4.8 3.5
非製造業 1.7 2.4 2.9 3.7 4.5 4.7 4.0 4.0 3.5

出典:現地法人は『第40回我が国企業の海外事業活動 平成22年海外事業活動基本調査(平成21年度実績)』経済産業省政策局調査統計部・経済産業省貿易経済協力局編,2011年

 まず、経済産業省貿易経済協力局編『第44回外資系企業の動向(平成22年外資系企業動向調査)』(2011年)と、経済産業省政策局調査統計部・経済産業省貿易経済協力局編『第40回我が国企業の海外事業活動 平成22年海外事業活動基本調査(平成21年度実績)』(2011年)によれば、日本で活動する外資系企業の売上高経常利益率(平均4.9%)と、日本企業の海外現地法人の売上高経常利益率(平均4.0%)の差は1ポイント程度で大きな差はない。ところが、同じ資料で、外資系企業をアメリカ系企業に絞って比較すると、2003年度から2009年度で見て、アメリカ系企業の日本での利益率は8%前後(7~9%)ある。日本企業の海外現地法人の利益率である約4%(3~5%)と比べて、はっきりと高い。

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