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企業幹部に必要なのは英語よりもファイナンス

教科書通りに手元資金を使った米アップル

2012年4月6日(金)

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 本格的な捜査が始まったばかりのオリンパス事件ですが、そもそもこの事件の発端はバブル期に流行した余資運用の失敗にあったと言えます。最初の失敗を埋め合わせるために次々に(おそらくはデリバティブなどを使った)新しい運用を行い、逆に損失が拡大してしまったため、損失の「飛ばし」が必要になったものと推測されます。

 考えてみれば、株価が暴落した1990年代の前半当時、余資運用の失敗は多くの企業にとって他人事ではありませんでした。バブル期には実に多くの企業が、「財テク」と称して余剰資金の運用をやっていました。

 しかし、「余剰資金」というのも変な言葉です。「企業に余剰な資金があるのなら株主に返しなさい」というのがファイナンスの原則です。オリンパスもそうしていたら今度の事件そのものがなかったでしょう。今回は大企業にとってのファイナンス、コーポレート・ファイナンスについて考えます。

アップル社の自社株買いと配当の発表

「余剰資金」とは呼ばれませんが、いま世界で一番手元に現金を持っている会社といえば米アップルに違いありません。世界中でiPodやiPadが売れたおかげで、アップルの手元には約1000億ドル(1ドル80円として約8兆円)もの現金があるそうです。

 最近同社は、この手元資金を使って自社株の買い入れと配当金の支払いを行うことを発表しています。アップルのこの行動は、それこそファイナンスの教科書に書いてある通りの行動です。当面使い道のない現金は、即座に株主に返還するのです。

 現金を株主に支払う配当が、株主への利益還元ということはわかりやすいと思いますが、自社株買い入れも株主還元策です。それは、企業が手元の現金で自社の株を株式市場から買い取り、既存の株主に対して現金を返すことになるからです。

 そう説明すると違和感を持つ人が多いかもしれません。日本の株式市場では、自社株買いは、それによって株の需給関係が良くなるという理由から歓迎されることが多いです。しかし、ファイナンスの教科書は、条件付きですが自社株買いと配当金支払いの意味は同じと説明するのが普通です。今回のアップルの決定も、理論的に甲乙をつけがたいから両方とも実行するのだと解釈できます。

いまだに「高度成長モデル」で無駄な投資

 自社株買いと配当のどちらが良いかの問題は別にして、昔に比べればより多くの日本企業の経営者は株主還元に対する関心を高めるようになりました。これは良いことです。自社株買い入れ消却についてもかなり頻繁に行われるようになっています。

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