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「50万ドルも盗まれた! 犯人は家族扱いしてきた彼・・・」

ヒトにまつわる「あり得ないドラマ」は尽きない

2012年4月12日(木)

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 前回(「断固、首です。あんな人をなぜ雇ったの?」)に続き、ヒトを巡る悪戦苦闘をお伝えする。何度か触れてきた、総額50万ドル以上も商品を盗まれた事件である。この損害によって、弊社は経営危機に陥ったのでカネの話でもある。

 弊社の商品が総額50万ドルも盗まれ、その多くがインターネットなどで販売されていることが2010年1月に発覚した。ラスベガス市警とFBIの調査が入り、内部犯行の可能性が高いとされ、社員の取調べが行われた。

 社員の1人がすぐに犯行を自白した。社歴が2番目に古く、CEO(最高経営責任者)の主人もCFO(最高財務責任者)の私も、家族同様に親しくしてきた社員だった。

 どうやら長年にわたり商品を少しずつ盗んでいたらしい。段々、エスカレートし、2009年10月くらいから、大型トラック1台分もの大量の商品を何度も盗むようになった。そうなってから3カ月経って、ようやく発覚した。

 トラック単位で盗んでいた3カ月間は1年で最も忙しい繁忙期だった。彼は同じような大量の商品を頻繁に仕入れていたが、多額の売り上げ金が毎日入ることもあって、他の社員は気付かなかった。

 勝手に仕入れ続けた商品を彼は右から左へ転売した。自白する直前に転売先に連絡したため、転売先はその商品をすべて処分した。商品が戻ってくることはなく、仕入れ業者への膨れ上がった買掛金が残った。内部犯行なので損害保険は2万5000ドルしか下りず、焼け石に水だった。

荷物を必ず届ける真面目な人だった

 前回記事の冒頭、次のように書いた。「弊社が一番初めに雇った2人は、倉庫の管理と配送の担当だった。(中略)採用を始めた当初のモットーは『社員を家族のように扱おう』だった」。

 このうちの1人が犯人である。家族同様の付き合いだった彼との出会いから書いてみることにする。

 弊社の設立当初は現在のようなまともなオフィスや倉庫が無かった。このため共同倉庫を使って事業を始めた。創業期は主人が大型バンに商品を乗せて配達していたがすぐ限界が来た。

 地場の配送業者を探し始めたちょうどそのとき、レンタルトラックを利用して、1人で配送代理業をやっていた彼に出会った。借りていた共同倉庫のオーナーからの紹介であった。

 何回か配送を頼んだところ、丁寧な仕事振りに驚かされた。中国の工場からロサンゼルスの港に届いた商品を取りに行ってもらう仕事を頼んでみると、どんな悪天候でも、ひどい渋滞があっても、さらにはトラックに故障が発生しても、なんとかやりくりし、無事に荷物をその日のうちに必ず届けてくれるという働き振りを見せた。

 日本にいると、頼んだ通りに荷物が送れたり、届いたりするのが当たり前だが、米国ではそうはいかない。彼のようにきちんと働く人間はなかなかいない。

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「「50万ドルも盗まれた! 犯人は家族扱いしてきた彼・・・」」の著者

上田 尊江

上田 尊江(うえだ・たかえ)

Artform LLC CFO

マネジメントコンサルタント、オンライン証券会社の創業、海外企業の日本参入支援など手がけた後、2006年より渡米、TransAction HoldingsおよびartformのCFO。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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