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NTTにあって、グーグルにないもの

料金請求一本化、真の狙い

2012年4月12日(木)

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 筆不精で、友人・知人との近況のやり取りは専ら電子メール。帰宅時には習慣的に郵便受けを開くものの、入っているのは各種公共料金の請求書やチラシばかり――。これは筆者自身の話だが、似たようなご経験をお持ちの読者も多いのではないだろうか。

 友人からの手紙であれば即座に封筒を裏返して差出人を確認するが、公共料金の請求書や利用明細などの場合、どこから送られてきたかを気にする人はあまりいないだろう。料金明細なら封を開けて内容を確認する。請求書であれば金融機関やコンビニに行って料金を払う。それだけのことだ。

 日常に溶け込んだためにほとんど意識することのなくなった請求書や利用明細の「差出人」を巡って、今春、通信業界を2分する大論争が勃発した。NTTグループが2月2日、携帯電話や固定通信サービスなどの料金請求業務を7月に金融サービス子会社のNTTファイナンスに集約すると発表したのが発端だ。

 対象となるのはNTTドコモの携帯電話サービス「FOMA(フォーマ)」や「Xi(クロッシィ)」のほか、NTT東西地域会社の光ファイバー通信回線サービス「フレッツ光」、NTTコミュニケーションズのネット接続サービス「OCN」など。各市場でトップシェアを持つサービスが多く、契約数は単純合算で1億3000万件を超える。

NTTグループが料金請求業務を集約する主なサービス
サービス名称(カッコ内は2011年12月末時点の契約数)
NTT東日本
NTT西日本
加入電話(2821万5000件)、INSネット(426万2000件)、光回線サービス「フレッツ光」(1631万件)、電話線を使った高速デジタル通信「フレッツADSL」(245万1000件)など
NTTドコモ 「FOMA(フォーマ)」や「Xi(クロッシィ)」などの携帯電話サービス(5962万4000件)
NTTコミュニケーションズ ネット接続サービス「OCN」(848万1000件)、直収電話「プラチナ・ライン」(約300万件)など
対象となるサービスの契約数は合計1億3000万件超

 NTTファイナンスは毎月の請求料金が確定後、グループ各社から料金債権自体を譲り受けて契約者に料金を請求するため、7月以降、契約者への請求元はドコモやNTT東西などのグループ各社からNTTファイナンスに切り替わる。クレジットカードや口座振替、請求書払いなどの支払い方法については、従来の契約内容をそのまま引き継ぐという。

 NTTグループがこうした料金請求一本化の構想を最初に打ち出したのは、実は5年以上前のこと。NTT経営企画部門の辻上広志担当部長は「1人でNTTグループの複数のサービスを利用している契約者から、『請求書がバラバラでわずらわしい』『まとめて送ってほしい』という要望が頻繁に寄せられていたのに対応するため」だと説明する。

 料金請求業務の集約後も、NTTファイナンスはドコモやNTT東西など企業別に請求書を発行するが、契約者からの希望があった場合には、グループ各社の料金をまとめて1通の請求書にする。「ワンストップ」での支払いの要望に応えるとともに、紙資源の節約につなげる考えだ。

 こうした動きに待ったをかけたのが、KDDIやソフトバンク、イー・アクセスなどのライバル企業だ。3月13日には電気通信事業法に基づく意見申出書を74の企業・団体の連名で総務相に提出。ライバル各社の接続関連情報が目的外に利用される可能性などを指摘したうえで、総務相の判断を示すよう求めた。

 KDDIやソフトバンクなどは意見申出書の中で、NTTグループの料金請求業務の集約について「これまで積み重ねられてきた競争政策の流れを無視したものだ」と批判。「なし崩し的にグループの再統合、独占への回帰を図っているという点で、NTT法の趣旨に反する脱法的行為」と指摘し、計画に反対する姿勢を表明した。

 「NTTの独占回帰は許されない」というライバル各社の鼻息は荒かったが、3月13日に開かれた緊急記者会見での各社の主張内容の一部は、やや首をかしげざるを得ない内容だった。

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「NTTにあって、グーグルにないもの」の著者

白石 武志

白石 武志(しらいし・たけし)

日経ビジネス記者

日本経済新聞社編集局産業部(機械グループ)、京都支社、産業部(通信グループ、経営グループ)を経て、2011年から日経ビジネス編集部。現在は通信、半導体、家電業界などを担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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