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日の丸ディスプレー新会社誕生の裏に黒子あり

2012年4月17日(火)

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 日本列島の桜シーズンはほぼ終わりかけているが、家電業界の春の嵐は吹き止む気配がない。本稿締め切りの4月10日、ソニーは2012年3月期の連結最終赤字幅が5200億円に拡大すると発表。たたみかけるように同日、シャープも最終赤字3800億円に膨らみ、液晶パネルの拠点である堺工場の主導権を先日本体の筆頭株主になった台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業に譲り渡すと発表した。

 薄型テレビ用パネルの投資競争で韓国・アジア勢に敗退した日本の家電メーカーの必死の止血作業が続く中で、4月1日、今後の日本勢に生き残りを占う新会社がひっそり出発した。

 ソニー、東芝、日立製作所から中小型液晶パネル事業を切り出し、官民ファンド「産業革新機構(INCJ)」の70%の出資を仰いで設立した新会社「ジャパンディスプレイ」(東京・港)だ。価格下落の続くテレビ用の大型パネルではなく、スマートフォンやタブレット端末用の中小型液晶パネルで生き残りをかける「日の丸ディスプレー連合」。ここに至る2年半の間、「切り出し型」の事業再生のスキームを描き、実現に向けて奔走してきた、1人の元アナリストがいる。

トップアナリストの転身

 「書を捨てよ、町に出よう」。こんな啓示があったのかどうかわからないが、元ドイツ証券の電機アナリスト、佐藤文昭氏が独立し、企業再編のアドバイザー業務を手がける「産業創成アドバイザリー」を設立したのは2009年だった。同氏はもともと日本ビクターでビデオの研究開発に従事した後、アナリスト業界に転じた経歴を持つ。

 ドイツ証券時代にはITバブルの到来を予想したことなどが評価され、6年連続で「企業総合部門」のトップアナリストにランキングされた。その後、メリルリンチ証券などを経て09年秋の産業創成アドバイザリー設立に至る。ジャパンディスプレイの構想を描き始めたのはちょうどその頃で、佐藤氏が日夜議論を重ねたのは、アナリスト時代からつきあいのあったソニーや東芝の経営企画部門の若手社員たちだったという。

 「3社がパネル事業を切り離したがっていることは幸いだった。ひねりを加えれば事業が十分競争力を保てる状態だったこともなどもキーだった」(佐藤氏)。問題は切り出した事業に投資するパトロンだ。投資ファンドはおしなべて及び腰。そこに設立まもなく新規案件を探していた官民ファンドのINCJが登場、ジャパンディスプレイの構想が固まる。

 「日本の電機メーカーは多すぎる」。これが佐藤氏の口癖だ。「総合電機メーカーの中には、グループの中では本領を発揮できなくても、切り出せば十分に競争力のある事業がいくらでもある。ただ、会社の中の論理ではなかなか動くことができない。利害関係のない第三者が会社横断的に動く必要があった」。こう指摘する佐藤氏が一貫して主張してきたのは、日本の電機コングロマリットの解体だ。

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「日の丸ディスプレー新会社誕生の裏に黒子あり」の著者

小板橋太郎

小板橋太郎(こいたばし・たろう)

前日経ビジネス編集委員兼副編集長

1991年立教大学文学部史学科卒、日本経済新聞社入社。整理部、社会部、産業部などを経て2011年から日経ビジネス編集委員。現在は日本経済新聞社企画報道部デスク

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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