• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

橋下・維新の会の“変質”が左右する大飯原発再稼働

政治家が直面する現実と理想のギャップ

2012年4月20日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 「大阪は今また動いている」

 大阪市のある関係者が声も密やかにそう囁いた。

 ただし、「動いている」のは、大阪府、市の行政機構、職員労組から民主党政権まで舌鋒鋭く攻撃し、世論の支持を追い風に改革を進めようとしている橋下徹・大阪市長の事ではない。

(写真:共同通信)

 動き、変化しているのは、その橋下市長自身が育て、今や次の総選挙の台風の目になりつつある、大阪維新の会だというのである。

 もちろん、内部抗争や分裂といった類のものではない。だが、維新の会の雰囲気に微妙な変化が感じられるという。

橋下発言を“恐れ始めた”維新の会

 維新の会の中を波立たせているのは、野田佳彦首相が再稼働に向けて動き始めた関西電力大飯原子力3、4号機(福井県おおい町)問題への対応である。橋下市長は、政府が大飯原発再稼働の方針を決めた4月13日、「手続きに欠けている民主党の再稼働のプロセスは統治のやり方として危険だ」と即座に反発したが、維新の会の中には“温度差”もあった。

 例えば政府の再稼働方針決定直前の4月10日。大阪府と大阪市が一体で行政改革を進める府市統合本部のエネルギー戦略会議で、原発再稼働を認める場合の条件を議論したが、橋下市長の“盟友”の松井一郎知事は「(府や市に)与えられた権限以上のものを条件として出せるのか違和感がある」とも述べている(表参照)。

橋下氏らの掲げる原発再稼働の8つの条件
・独立性の高い原子力規制庁の設置
・安全基準の根本からの作り直し
・新安全基準に基づいたストレステストの実施
・事故を前提とした防災計画と危機管理体制構築
・現行の安全協定に加え、原発から100キロ圏内の住民の同意を得て、府県と原発の協定を締結
・使用済み核燃料の最終処理体制確立
・電力需給の厳しい検証
・損害賠償など原発事故で起きる倒産リスクの最小化

 大阪市は関電の筆頭株主であり、一定の発言は出来そうだが、8つの条件は「当初の予定通り」(会議のある参加者)選挙などで国民が判断する際の政治的なメッセージという扱いのままだった。

 微妙な変化の裏にあったのは何か。維新の会の大阪府議や大阪市議などと接触のある関係者の1人は「維新の会の議員は、地元経済界から突き上げをくらって、原発問題で橋下市長の厳しい発言を恐れ始めているようだ」と指摘する。

 理想を抱いて出てきた候補が政治家になると必ず直面する「現実」がそこにある。理想は高々と抱いているが、現実と言われるものに迫ってこられると、次第に視点が変わってくる。全てではないが、その先に票がちらつくこともあるだろう。

コメント17

「記者の眼」のバックナンバー

一覧

「橋下・維新の会の“変質”が左右する大飯原発再稼働」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

もっと事業を効率化して、料金を下げて、消費者に貢献しないと業界はだめになってしまう。

和田 眞治 日本瓦斯(ニチガス)社長