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「シェールガスの環境問題」の具体的な中身

地下水汚染やメタンガスの漏洩だけではない

  • 大場 紀章

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2012年4月23日(月)

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 原発再稼働の是非を巡る議論がとても盛んになっています。この問題は、私にとって既にエネルギーの問題を超えて、社会の意思決定とその責任をめぐる民主主義の構造問題というように見えています。どう転んでも大きな禍根を残すだろう現在のこのジレンマは、全体にかかわる大事な意思決定をしなければならないこのタイミングに、リーズナブルな決定ができて自分たちが信任できる政府を築いてこれなかった私たちの不幸である。現時点ではそう指摘するに留めたいと思います。

 この連載では、こうした本質的に泥沼な政治闘争に与せず、それ以外の部分で読者のお役に立ちたいと考えているので、ちょっと口はぼったい所はあるかと思いますがご了承下さい。

意外に知られていない環境問題の中身

 さて今回は、これまで述べてきたような、めまいのするほど複雑なエネルギー供給システムの話題から一度離れて、最近一般の方でも注目度が高くなってきた「シェールガス」の環境問題に焦点を当てたいと思います。

 シェールガスについて「環境問題があるらしいよ」と言う人が多いのに対し、シェールガスの環境問題をきちんと扱った情報を日本で目にする機会が驚くほど少ないと感じています。シェールガスの環境問題は、唯一の本質的問題というわけではないのですが、しっかり押さえておくべきポイントの一つだと思います。

 シェールガス開発に伴う環境問題には、主に以下の5つが挙げられます。

(1)掘削に用いられる化学物質(潤滑剤、ポリマー、放射性物質など)およびメタンガス(天然ガス)などによる地下水の汚染
(2)採掘現場から空気中に漏洩するメタンガスによる健康・爆発・温暖化リスク
(3)温暖化問題に対する総合的な影響(メタンガス漏洩・開発に伴う森林伐採・再生可能エネルギーの導入抑制効果・安価なガスによる消費拡大)
(4)大量の水を使うことによる地域の水不足リスク
(5)排水の地下圧入による地震発生リスク

 シェールガスの採掘に使われる水圧破砕(ハイドロフラクチャリング)という技術は、化学物質を添加された大量の水を地下に圧入することで、ガスが存在する地層にヒビを入れてガスを取れやすくします。その際に使用した水の一部は、地上に戻り一時的に作られたため池に入れられ、処理をして再利用されるか、地下や川などに捨てられます。これらのプロセスにおいて、(1)(4)(5)のような水質汚染・水不足・地震のリスクが発生します。

 また、シェールガスの開発は、従来型の天然ガス田に比べ一つの井戸から生産されるガスの量が少ないので、結果として比較的多くの井戸を掘ることになります。そのため、ガスの漏洩や森林伐採といった(2)(3)の問題が、従来型の天然ガスに比べ発生しやすくなります。

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