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電子書籍は紙の市場を食ってしまう?

『「本屋」は死なない』の石橋毅史さんと激論【2】

2012年4月25日(水)

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橘川:僕はもともと学生時代にロッキングオンを創刊して、雑誌からスタートしたわけですよ。だから実は、書籍って、あんまり肌が合わない(笑)。

 古い出版社って、雑誌部と書籍部とあって仲が悪かった。なぜかというと方法論が違うんです。雑誌は、今起きてる現象の本質を即座に多くの人に伝えるのが役割で、書籍は現象をじっくり検証して一つの作品に仕上げるものですよね。

橘川幸夫

 60年代から70年代にかけて、新雑誌がどんどん創刊されたけど、90年代以降って、創刊雑誌が少しも新しくない。古い雑誌の焼き直しだったり、対象世代を代えたりしたものばかりで。なぜかというと、雑誌の役割を一番吸収したのがインターネットなんだと思う。70年代の「ぴあ」は間違いなく新しかったが、それはインターネットの時代を先取りしていたからで、インターネットが出てくれば不要になった。

 「ポパイ」の新しさはPOPEYEというコラムがあったせい。あれはブログですね。最もシンボリックなのは「ダ・カーポ」で、あれは今の「まとめサイト」です。インターネットに吸収されたのは、広告も含めた雑誌部門であって、書籍部門は以外と傷は浅いのではないかと思ってる。そこで電子書籍が登場してくる(笑)。

石橋:僕は、定期的に買っている雑誌はもうないです。面白そうな話が載っている時だけ。書籍を買うのと同じ感覚です。あえて定期的に買う動機を持てるとしたら、応援でしょうか。そうなると発行者の顔が見えるミニコミ的な雑誌のほうが強いでしょうね。大部数の商業誌はきつい。

「委託流通はとてもいい方法だと思う」

橘川:出版社の危機の本質は、バブルの時代に急激に膨らんだ雑誌の広告収入の落ち込みによる経営基盤の劣化だと思う。出版社が本を作って売っているだけのビジネスモデルであれば、そうは簡単につぶれないと思う。


石橋:近年に倒産した出版社も、意外と本業以外の失敗が響いたケースが多いですね。ただし出版社の多くが、取次を介した委託流通に支えられてきたことは大きいと思います。本の売れ行きに好・不調があっても、いったん入金があり、次に資金を回していけた。委託はとてもいい方法だと思いますが、現実として流通の効率性は進むから、どんどん難しくなっていく。

 今までの方法でやってきた出版社にとっては大変なことだけれども、届けたい人に、自前で届けられる方法を持っておいたほうがいいと思う。電子書籍が「脱・取次依存」につながるかというと、ちょっと違う気がします。

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「電子書籍は紙の市場を食ってしまう?」の著者

橘川 幸夫

橘川 幸夫(きつかわ・ゆきお)

デジタルメディア研究所代表

1972年、音楽雑誌「ロッキングオン」創刊。78年、全面投稿雑誌「ポンプ」を創刊。その後も、さまざまな参加型メディア開発を行う。現在、阿佐ケ谷アニメストリート商店会会長、未来学会理事などを勤める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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