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経済成長は七難を隠す

脱成長論を考える(上)

2012年4月25日(水)

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 私はこれまで、その期間を言うのが恥ずかしいほどの長い間、日本経済を観察し続けてきた。この間にはいろいろな出来事があった。ニクソンショック、石油危機、円高、バブルの生成と崩壊、リーマンショック、そして東日本大震災などである。そのたびに日本経済は苦しい状況に追い込まれ、「日本経済は沈没する」「日本経済はもうだめだ」という議論が繰り返されてきた。

 しかし私は、それぞれの局面で「いや日本経済には適応力があるから、経済環境の変化に応じて再生するに違いない」と考えてきた。要するに常に楽観的だったのである。余談だが、80年代後半に日本経済研究センターで経済予測を担当していた時は、楽観的な予測を出し続け、金森久雄氏(当時の会長)、香西泰氏(当時の理事長)、小峰(当時の主任研究員)は「楽観派3K」と呼ばれたものだ。事実、日本経済は変動相場制に適応し、石油ショックを機に省エネルギー型の産業構造に転換し、危機のたびに一皮剥けて新しい歩みを再開するということを繰り返してきたのである。

 ところが悲しいことに、私は、最近「これは本当にだめなのではないか」と思うようになってきた。遅々として進まない財政再建や社会保障改革、進まないどころか逆行しつつある構造改革、グローバル化どころかますます内向きになる政策姿勢、そうした中で確実に進行しつつある人口の少子高齢化、そして絶望的な政治の姿。どれを取っても「これって本当に解決するのか?」と思われることばかりである。

 このシリーズでは、こうした日本経済が直面している諸課題を取り上げ、私が感じている危機感を伝えたいと考えている。そして、その危機感が少しでも多くの人に共有され、私の悲観的な見方が覆される方向に進むことを期待したいと思う。

再び注目される経済成長

 最初に取り上げるのは「経済成長」である。このところ「経済成長」は、いくつかの側面で注目されている。

 第一に、「これ以上の成長は必要ないのではないか」という「脱成長論」が強まっているように見る。「もう物質的な欲望を充足させようとするのは間違いだ」「ブータンのような、国民の9割が幸福だと言えるような国になろう」「地球環境問題という観点からも成長は難しい」といった議論が聞かれるようになっている。

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「経済成長は七難を隠す」の著者

小峰 隆夫

小峰 隆夫(こみね・たかお)

法政大学大学院政策創造研究科教授

日本経済研究センター理事・研究顧問。1947年生まれ。69年東京大学経済学部卒業、同年経済企画庁入庁。2003年から同大学に移り、08年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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手嶋 龍一 作家・ジャーナリスト