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プーチンが大統領になっても領土問題は解決できない

ロシアを訪問して感じた識者の認識――楽観論は皆無

  • 袴田 茂樹

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2012年4月26日(木)

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ロシアのプーチン首相が5月7日、大統領に再就任する。この連載では、日露関係に関する最近のロシア側の見解や雰囲気、新プーチン政権が抱える課題と政権の安定性について、3回にわたって分析する。分析していただくのは、「ロシア高官が驚いた日本のナイーブさ」で日本の政治家やマスコミを鋭く斬った袴田茂樹・新潟県立大学の教授だ。

 プーチン首相は3月1日に、日露関係や北方領土問題に関して相当立ち入った発言をした。それに関する日本の報道があまりに楽天的で、発言の真意――つまりその厳しい内容――を伝えていなかった。そのことについて、筆者はこの日経ビジネスオンラインで課題を指摘した(「ロシア高官が驚いた日本のナイーブさ」)。

 このコラムに対して読者から、なぜそのような間違った理解や報道がなされるのか説明してほしいとの要望がきた。その理由は色々あるが、最大の問題点は、日本の政治家やマスコミ人、そして専門家までが、最近のロシアの指導部や政界の雰囲気に対するリアルな認識をまったく欠いていることである。ロシアには、日本で流布したような北方領土問題の解決に対する甘い見通しは、残念ながら皆無である。

 私はこの4月初めに1週間ロシアを訪問した。日露問題に直接関係している、あるいは深い関心を有している政府、議会の要人、国際問題や日本問題の専門家たちと個人的に意見交換した。その結果、私が前回のコラムで述べたことを修正する必要は一切ないとの確信を得た。以下、その報告である。

日本の楽観論がロシア批判に変わることへの懸念

 プーチン首相は、彼が大統領になったら、両国の外務省を招集して「ハジメ!」の指令を出そう、と述べた。そこで私は、ロシア外務省のアジア・対日政策の責任者A氏と懇談した。彼は、北方領土問題に関して、あまりに楽観的な見解が日本で流布することをむしろ懸念していた。この楽観的な期待の反動として、ロシアに対する強い失望が必ず起きるから、というのだ。

 もちろんA氏はロシア外務省の対日責任者として、3月1日のプーチン発言の後、日本側の見解をより真面目に聞く姿勢を強めている。しかし、北方領土問題が近い将来解決するとは、彼もまったく考えていない。

 私はこのロシア外務省高官に、プーチンが3月1日に発言した内容の問題点を指摘した。プーチンは1956年の日ソ宣言に従って歯舞、色丹の2島を「引き渡した」後も、それらの島の主権をロシアに残す可能性を示唆している。高官は、役職上プーチン発言に対してコメントする立場にないとしながらも「袴田先生らしい鋭い見方だ。学者として正しいアプローチだと思う」と述べた。日本人の私がプーチン発言を問題視するのは当然と見ているのである。

中露で戦争でも起きない限り…

 最近、ロシア下院の国際問題委員長にアレクセイ・プシコフ氏が就任した。彼は元ジャーナリストで、外務省系の国際関係大学教授でもある。近年、欧米に対してかなり強硬な発言をしている。彼が国際問題委員長に選ばれたのは、おそらくそれ故だろう。下院の彼の執務室で懇談した。

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