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収益格差4倍、メジャーとプロ野球の違いはどこに

「リーグビジネス」を世界に広げるメジャーの成長力

2012年5月8日(火)

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 今シーズンの野球界。ダルビッシュ有、岩隈久志、和田毅という日本の3人のMVPが米メジャーリーグに移籍しました。松井秀喜選手は、複数の日本球団からオファー受けた(と言われています)のに、メジャーにこだわり、レイズとマイナー契約して米国に残りました。優秀な選手にとって、日本のプロ野球にはそんなに魅力がないのでしょうか。

 そんなプロ野球にファンは正直な反応を見せています。開幕3連戦の観客動員数は多くの球団でこれまでの実績を下回り、中継の視聴率も低迷し続けています。「今年のナイター中継は視聴率が取れなくて困っているんですよ」。先日、放送局の方からこんな嘆きを聞きました。

 プロ野球は、国民のスポーツから、マニアのスポーツに変わりつつあります。今まさに「プロ野球改造」が求められています。この連載では、経営コンサルタントとして野球とかかわり合っている立場から、私の改造論をお話ししたいと思います。

 まず、下のイラストを見てください。1995~2010年のメジャーリーグ(MLB)と日本プロ野球(NPB)の総収益の推移を比較したものです。

 右肩上がりの赤い線は、公表数字を基に示したMLBの総収益。この15年間で約4倍に増えて、5000億~5500億円(66億ドル)になっています。一方のNPBは頭打ちの状態です。1チーム平均約100億円の収益として推定しましたが、実態からそう遠くない数字のはずです。テレビの野球中継が減っていることからしても、みなさんの実感に近いのではないでしょうか。

メジャー(MLB)とプロ野球(NPB)の総収益の推移
NPBの総収益は1400億円と推定、1ドル80円で換算
資料:MLB、チーム分析
(イラスト/北村公司)

 プロ野球が12チームなのに対し、メジャーは30チームあるというベースの差があるかもしれません。しかし、ここで見ていただきたいのは細かな数字の比較ではありません。15年前はリーグとしてほぼ同じ規模だったのに、たった15年間でこれほどまでの差ができてしまったという大きな傾向です。このままでは両者の差は開く一方です。

 日米には、どこに違いがあったのでしょうか。答えを引き出す ためのキーワードは「リーグビジネス」です。

その差は、日本にはない「リーグビジネス」

 メジャーの収益源を大きく分けると、「チームビジネス」と「リーグビジネス」があります。チームビジネスとは、各チームが独自の裁量でやっているビジネスで、チケット収入、スポンサー収入、グッズ収入、スタジアム内の飲食収入、ローカルテレビやローカルラジオからの放映権収入があります。

 実は、平均してしまえば、日米ともにチーム単体のビジネスの規模はほぼ同じです。100億円のビジネスをやっているチームが日本には12あり、米国には30あるという計算になります。両者の決定的な違いは、メジャーでは平均40億~50億円の分配金がリーグから出ることです。その分配金の出処がリーグビジネスなのです。

 リーグビジネスは、文字通りリーグ全体として展開する事業です。全国ネットや海外の放映権収入、リーグスポンサーからの広告獲得、オンラインでのチケット・グッズ販売などがあります。リーグからの分配金は、2003年が平均30億円でしたが、2009年には40億円まで増えました。リーグビジネスは急成長しているのです。

コメント17件コメント/レビュー

おもしろい記事であり、筆者のビジネス姿勢に感心しました。リーグビジネスにオーナーに関心が低い原因は明らかです。 日本のプロ野球は親会社ビジネスに対するブランド戦略の役割しか担っていないことからです。広告費の許容範囲に球団の赤字が収まっていれば良しとしています。 もう一つは、球団幹部が親会社からの出向であり、2,3年の任期中に大過なく終えることが主となっている。そして、大きな判断は独自にやれず親本社のスタッフの了解が必要で、それに手間取り面倒で避けるようになる。(確認していないが、親と子の会社関係は常にそうであり、どの業界でも見かける現象)だから、この構造を壊すか、これを前提として実績を持っての新提案をするしかないと思います。(2012/06/07)

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「収益格差4倍、メジャーとプロ野球の違いはどこに」の著者

並木 裕太

並木 裕太(なみき・ゆうた)

フィールドマネージメント代表取締役

2000年マッキンゼー・アンド・カンパニー入社後、最年少で役員に就任。2009年株式会社フィールドマネージメントを設立。日本一の社会人野球クラブチーム「東京バンバータ」の球団社長兼GMも務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

おもしろい記事であり、筆者のビジネス姿勢に感心しました。リーグビジネスにオーナーに関心が低い原因は明らかです。 日本のプロ野球は親会社ビジネスに対するブランド戦略の役割しか担っていないことからです。広告費の許容範囲に球団の赤字が収まっていれば良しとしています。 もう一つは、球団幹部が親会社からの出向であり、2,3年の任期中に大過なく終えることが主となっている。そして、大きな判断は独自にやれず親本社のスタッフの了解が必要で、それに手間取り面倒で避けるようになる。(確認していないが、親と子の会社関係は常にそうであり、どの業界でも見かける現象)だから、この構造を壊すか、これを前提として実績を持っての新提案をするしかないと思います。(2012/06/07)

既得権益の権化の新聞が親会社なんだからこんなもんです。新聞売るための道具です。新聞社=テレビ局だし放送する方も工夫は皆無。テレビや新聞といっしょに廃れていく運命です。(2012/05/14)

>文藝春秋のNumber誌は何年も前から、Jリーグ関連やヨーロッパサッカー関連特集なら良く減っているけど、野球関連だとプロレスやなんかの特集の時と変わらない位山積み状態です。 プロレスよりはるかに多いでしょ。>プロ野球の雑誌、店によっては置いてない事も増えました。サッカーマガジン+サッカーダイジェストは週刊誌だが、隔週刊化を検討しているらしいが。それにJリーグ中継の視聴率はプロ野球より劣っているのだが。まだまだプロ野球人気は健在だ。(2012/05/10)

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