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人口流出という「負のヒステリシス」を克服できるか

見えてきた被災地の現実と課題

2012年5月9日(水)

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 東日本大震災から1年以上が経過した。新聞、雑誌、テレビ、いずれを見ても「震災」という言葉はだんだん見られなくなってきた。しかし、被災地の復興はこれからが本番である。

 われわれは「被災地への責務」と「将来世代への責務」という二重の責務を負っている。被災地への責務は、言うまでもなく有効な復興策を実現していくことだ。われわれはともすれば「必ず復興できると信じています」「がんばりましょう」「希望を持ちましょう」と言って被災地を支援した気になる。しかし、被災地の実情は厳しく、まだ復興のめどは立っていないというのが現実だ。

 一方で、今回の震災は、あらためて日本の経済社会が抱えている多くの課題を浮き彫りにした。地域の高齢化への対応、防災の在り方、エネルギー供給の制約などがそれである。こうした課題に応えて、経済社会の構造を時代の変化に即したものに変えていくことが将来世代への責務である

 震災後の経済社会の姿については、時間が経過するにつれて、データがそろい始め、震災の影響、その後の復興の姿が明らかになりつつある。取り組むべき課題は多いが、まずはデータに基づいて、こうした現状をしっかり認識することが重要だ。

 この短期連載シリーズでは、各方面から震災後の姿を分析し、その中から日本経済の課題を抽出し、明日につながる芽を見いだしていきたいと考えている。

 今回は、総論的に被災地の経済の姿と復興への課題について考えてみたい。なお、本稿は、私が主査を務めた日本経済研究センターの「地域から考える成長戦略」研究分科会がまとめた「復興支援を地域の内発的成長につなげよ」と題する報告書に基づいている部分が多い。同報告書の全文が公開されているので、詳細についてはこの報告書を参照してほしい。

 本稿で示したいと考えている主な論点は、次の二つである。一つは、復興後の経済成長についての評価である。復興後の経済は一時的に成長率が高まるが、これはサステナブル(維持可能)ではないという大問題がある。もう一つは、人口流出との関係である。今回震災の被害を受けた東北地域は、もともと人口の減少地域だったのだが、今回の震災でそれがさらに加速した。こうした人口減少が復興に及ぼす影響をどう考え、どんな戦略を取っていくかが問われている。

明らかになってきた復興後の経済の動き

 今回の東日本大震災が経済全体にどう影響するかついては、震災直後からエコノミストの見通しはほぼ一致していた。それは、「当初の段階では経済が大きく落ち込むが、しばらくたつとむしろ成長率は高まる」というものだった。私自身も震災直後に、そのメカニズムを説明した記事を書いている(2011年3月23日「巨大地震の経済的影響をどう考えるか」)。

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「人口流出という「負のヒステリシス」を克服できるか」の著者

小峰 隆夫

小峰 隆夫(こみね・たかお)

法政大学大学院政策創造研究科教授

日本経済研究センター理事・研究顧問。1947年生まれ。69年東京大学経済学部卒業、同年経済企画庁入庁。2003年から同大学に移り、08年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中谷 巌 「不識塾」塾長、一橋大学名誉教授