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今こそ、「参勤交代」の復活を

田舎でしか学べないこと

2012年5月10日(木)

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 大型連休を利用して、学生時代の友人が上京してきた。本州最南端に位置する和歌山県の串本から、同じく和歌山県の新宮市に住む友達4人とともにクルマでやってきた。

 新宮は名古屋に出るまで3時間、大阪に出るには4時間かかるという。それだけに、なかなか都心に出る機会がない。

 友人は和歌山県の小学校教師で、勤務地が変わるとしても、転職しない限りは和歌山県内に留まる。狭い町では刺激が少ないから、東京観光をしたいと言うので、最近オープンしたばかりの買い物スポットに連れて行くなどして1日を過ごした。人ごみをかき分けて、行列に並ぶたびに、「やっぱり東京はいいな」と喜びをかみしめる。

現状の不満が憧れに

 関東に住むほかの友人に声をかけて、一緒に酒を飲んだ。

 「どこに行っても人が多くて混んでいる」「自然が少なくて息が詰まるし、心が休まらない」

 都心に住む友人が現状に対する不満を口にしても、和歌山の友達からすれば、「それこそが憧れ」ということになる。

 和歌山から来た友達に趣味を聞けば「アウトドア」だと言う。テントを張って宿泊するのかと思いきや、「イノシシを仕留めたり、自分の船で沖に出て、カツオやタイを釣ったりする。そろそろアユ釣りが解禁かな」と語り、一同その豪快さに驚かされる。

 少しの間だけでも、お互いの生活を変えてみたいという話題で盛り上がった。こんな会話を繰り返すうちに、養老孟司さんの「参勤交代のススメ」を思い出した。日経ビジネスアソシエという兄弟誌にいたとき、養老さんの連載を担当していた。そこでよく聞いたのが、「今こそ参勤交代すべき」という氏の考えだ。

 江戸への出仕と領地での政務を繰り返した参勤交代。徳川家に反旗を翻さないための仕組みとして機能したこの制度を、現代人こそ取り入れるべきだと養老さんは主張する。都心で高層マンションに住むだけでなく、畑を耕したり自然に触れたりする経験を交互にするという考えだ。

 酒席での会話は現実に対する逃避の表れなのかもしれない。ただ、よくよく考えれば、逃げるというマイナスな発想だけでなく、新たな世界で研鑽を積むというプラスの側面もあるのではないか。

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「今こそ、「参勤交代」の復活を」の著者

白壁 達久

白壁 達久(しらかべ・たつひさ)

日経ビジネス記者

2002年関西大学経済学部卒業後、日経BP社に入社。日経ビジネス、日経ビジネスアソシエを経て、2015年から香港支局長としてアジア全体をカバーする。2016年8月から日経ビジネス記者に。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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