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「新」プーチン政権、任期12年を語る者はもはやない

その安定度を図る4つのものさし

  • 袴田 茂樹

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2012年5月8日(火)

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 ロシアでプーチンが大統領に復帰し、「新」政権が発足した。以下、この政権の安定度と、その課題を検討したい。

 2000年以来、プーチンは大統領、首相として、7割前後という異例の高い支持率を常に維持してきた。まず、この高い支持率と政権の安定を可能とした4つの要因を考える。次に「新」プーチン政権の下で、今後も4要因が機能するかどうか検討して、政権の安定度を測る。将来を展望する前に、ここで過去の20年を概観しよう。

 1991年のソ連邦崩壊後、エリツィン大統領が政権を指揮した90年代は、ロシア国民にとって屈辱の10年だった。超大国ソ連は崩壊して事実上無政府の混乱状況になり、国民は貧困に喘いだ。この状況の中で2000年にプーチン政権が成立した。経済は向上し、政治も安定した。プーチンは、経済発展と安定、大国ロシア復活のシンボルとなった。

 ただ2010年秋から、与党「統一ロシア」が、官僚の党、腐敗と汚職の元凶と見られて、支持率が落ちた。また、昨年9月にはメドベージェフとプーチンが大統領と首相のポストをたらい回しすることが明らかになり、国民はうんざりした。12月の下院選挙後、選挙の不正及び与党(「泥棒とペテン師の党」と呼ばれた)とプーチンを批判する大規模なデモ、集会が起きて内外に衝撃を与えた。

 しかし皮肉なことに、これが「逆バネ」となって、2012年1月以後、プーチンの支持率は再び上がった。政治に関心を失っていた一般庶民が、政変と混乱を恐れて、プーチン支持に回ったのだ。こうして過去12年間、全体としては、プーチンの高い支持率と政権の安定が続いた。

プーチンの高支持率を支える4つの要因

 さて、この高支持率と安定をもたらした4つの要因とは何か。

 第1は、経済成長と生活の向上だ。プーチンが大統領になった2000年から、国際的にオイル(ガス)価格が急激に上昇し、資源輸出国のロシア経済は急速に改善した。

 第2は、90年代の悪夢と屈辱の記憶である。「あの混乱と貧困だけはもう結構」という体験がロシア市民の心理を支配し、ゆえに、プーチンは安定のシンボルになり得た。

 第3は、ポピュリズムすなわち人気取り政策である。プーチンやメドベージェフも、選挙が近づくと日本と同じバラマキ政策を次々と打ち出した。軍人や役人の給与を2倍に上げるとか、年金の引き上げ政策などだ。

 第4は、反欧米、反NATO政策である。昨年末の選挙の時も、プーチンは「デモ参加者は米国から金をもらっている」などと言って参加者はもちろん欧米諸国も怒らせた。しかし、一般国民の間では、外敵に対抗するプーチンのイメージは、政権支持の重要な要因なのである。

4つの要因は継続するか?

 では、今後の新たなプーチン政権の展望はどうだろうか。ポイントは、これまでプーチン政権の安定を保障した4つの要因が今後も継続するか否かにある。

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