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インフレ社会で見えるもの

日本が忘れた「値上げ当たり前」思考の功罪

2012年5月14日(月)

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 香港から日本に一時帰国すると必ず感じることがある。「何てモノが安いんだ」。正確に言えば、何年たってもモノやサービスの価格がほとんど変わっていないことの再発見である。

 記者が香港に赴任したのは2007年。ちょうどそのころから、香港は本格的なインフレに突入し始めた。国際的な燃料価格高騰に、食品や日用品を輸入する中国本土のインフレと人民元高の影響が重なった。

 不動産市場では、中国本土の投資家による香港不動産の購入が活発化。市況の変化は激しいものの、基本的に右肩上がりが続いている。契約更新時に2割や3割の家賃アップを提示され、引っ越しを余儀なくされる日本人駐在員家族も多い。

マクドナルドも年2回の値上げ

 デフレにどっぷり浸かった日本では考えられない「値上げ当たり前」の世界。それは日常生活のあらゆる場面で実感する。2011年、マクドナルドは2回の値上げを実施した。「茶餐店」と呼ばれる庶民的な食堂でも、かつてはランチセットが30香港ドル(300円)以下だったのに、今では40ドル(400円)前後が標準的。

 その他、タクシーや地下鉄など交通インフラの料金から、学校の授業料、ディズニーランドの入園料に至るまで。値上げされていないものを探すほうが難しい。香港名物の路面電車トラムも、2011年6月に大人運賃が2ドル(20円)から2.3(23円)ドルへと大幅に引き上げられた。価格改定は実に13年ぶり。日本から見れば破格に安いが、香港では庶民の足として定着しているだけに、値上げへの抵抗も大きかった。

 ちなみにこうした状況では、日本の「デフレ力」は価格競争力の面では強さを発揮する。例えば定番商品の価格が安定しているユニクロは、香港では割安感が強くなっている印象がある。日本国内だけの値下げ競争は果てしなき消耗戦だが、そこで磨いたモデルは海外市場攻略の武器になるということも言えそうだ。

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「インフレ社会で見えるもの」の著者

熊野 信一郎

熊野 信一郎(くまの・しんいちろう)

日経ビジネス記者

1998年日経BP社入社。日経ビジネス編集部に配属され製造業や流通業などを担当。2007年より日経ビジネス香港支局に異動、アジアや中国に関連する企画を手がける。2011年11月に東京の編集部に戻る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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