• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

「哲学する商品」が客を先導する

林光さんと語る日本の製造業の未来を創るマーケティング【2】

2012年5月16日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

前回から読む)

橘川:70年代後半にソニーがウォークマンを出した時には、それを作った人の「これを作りたい!」という意欲が消費者の僕たちに伝わりましたね。今の新商品を見ても、そういう作り手のパッションが伝わってこない。ジョブズがiPadを出した時には「どうだ!」という自慢気な顔が思い浮かびましたが(笑)。もともと日本には、モノづくりとしての自負というかプライドやこだわりが、もっとあったと思うのですが。

:ウォークマンは戦後日本が世界に送り出した数少ない成功モノの一つだと思います。それまで、音楽とは閉鎖空間で聞くもので、開けた場所では、邪魔な街頭BGMがあるくらいでしたから。しかしそこに、自分を好きな音楽環境で包むことができるウォークマンというモノの登場は、世界に激震を起こしましたよね。

林 光(はやし・ひかる)氏
知識創造工房ナレッジ・ファクトリー代表。慶応義塾大学文学部卒業、1972年博報堂入社、81年博報堂生活総合研究所発足に伴い同研究所に出向、主席研究員。2004年から所長。07年より独立。埼玉大学教養学部、明海大学経済学部、東京大学社会情報研究所、慶応大学文学部、群馬県立女子大学国際コミュニケーション学部などで非常勤講師を歴任。近著に『「減の時代の新・マーケティング戦略』がある。

橘川:僕も「ウォークマンとは音楽を聴く装置ではなく、余計な音を聞かないための装置だ」と書いたことがあります。街中では歩いているだけで、企業や宗教や他人の私語など、余計な情報が勝手に入ってくる。それを止めて自分の好きな音楽で時間を染めるという役割だと思います。

 それは情報化社会の進展という社会的な流れの中での画期的な商品だった。あれが出た時には、別のメーカーの人が「うちでも同じ企画を考えていたんだがな」と言ってましたが(笑)技術の新しさより、ソニーの時代認識の勝利だったわけです。ツイッターもフェイスブックも、もしかしたら、自分のところに入ってくる情報をコントロールできるというところに意味があるのかも知れません。

:もともと日本はオリジナルで新しいモノを創り出すより、一定の条件を与えられてそこで工夫して、新しいものや世界を作る方がうまい国だと思うんです。例えばこれも戦後日本の新製品だった「ウォシュレット」ですが、これは最初は海外での医療用品としてあったものやビデにヒントを受けて、狭いトイレ空間という制約の中で快適な時間が過ごせるような工夫の結果生まれたものです。

 また、軽自動車という日本特有の小さいサイズの車も、道路や駐車場など狭いという制約の中で生まれて発展した国民サイズだと思うんですが、最近は非関税障壁だといちゃもんつけられてます。困ったもんですが。

コメント2件コメント/レビュー

まあ、ちょっと考えれば記事のような話はみんな知っていること。それよりも、なぜソニーは凋落してアップル社の台頭なのか。(2012/05/16)

「橘川幸夫の オレに言わせれば!」のバックナンバー

一覧

「「哲学する商品」が客を先導する」の著者

橘川 幸夫

橘川 幸夫(きつかわ・ゆきお)

デジタルメディア研究所代表

1972年、音楽雑誌「ロッキングオン」創刊。78年、全面投稿雑誌「ポンプ」を創刊。その後も、さまざまな参加型メディア開発を行う。現在、阿佐ケ谷アニメストリート商店会会長、未来学会理事などを勤める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

まあ、ちょっと考えれば記事のような話はみんな知っていること。それよりも、なぜソニーは凋落してアップル社の台頭なのか。(2012/05/16)

「予選突破が大変。そこで疲れちゃうけど、そこで勝ち抜くと、世界市場は敵じゃない、ということだって待っている。 」 独占体制が築ければ勝者でしょうがそうではない。その前に消耗して金がない。金がなければ世界に打って出れない。それが過去20年なのではないですか。本当にマーケティングしている人なのですか。(2012/05/16)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

すきま時間を活用できることに気づいた消費者は、時間価値をかつてないほど意識している。

松岡 真宏 フロンティア・マネジメント代表