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農業の大規模経営を進める契機に

経済効率性から見た農業復興の理想

  • 大町 退一

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2012年5月23日(水)

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 2011年3月11日に発生した東日本大震災は、死者1万5854人、行方不明者3155人の人的被害(2012年3月11日現在)、また約16兆9000億円の物的被害(2011年6月24日現在)、そして農業にも大きな被害をもたらした。

 農林水産省によれば、農業被害は8928億円だったが(2011年11月24日現在)、農地・農業用施設が8302億円、農作物等が626億円と前者の被害額が大半を占めている。農地・農業用施設は、農地の損壊が4012億円、農業用施設等の損壊が4290億円であり、ほぼ同額となっている。また県別の農地・農業用施設の被害額は、宮城県が4535億円と突出しており、福島県の2415億円、岩手県の546億円、茨城県の475億円が続いている。

 ただし農業被害額は、市町村別にはブレークダウンされていない。そこで代替する数値として、農林水産省が2011年3月29日に公表した「東日本大震災(津波)による農地の推定被害面積」から、市町村別の被害を把握することにする。

 この資料からは、農業用施設の被害、農作物等の被害を知ることはできない。また農地被害についても金額は示されておらず、面積の把握しかできない。しかし、農地の損壊が全被害額の半分近くを占めている点を考慮すると、この資料から得られる耕地被害面積から、被害の大きかった市町村の見当を付けることはできる。

9割以上が壊滅的被害を受けた地域も

 市町村別の被害面積を、被害面積率が高い順に見ると、被害面積率が最悪であるのが宮城県七ヶ浜町で、93.4%と壊滅的な被害を受けている(表1)。そして亘理町の78.6%、山元町の77.8%、岩沼市の64.5%、岩手県陸前高田市の62.1%、名取市の52.2%と続く(以上、県名のない市町は宮城県)。

 以下では表1で示した耕地被害率が40%を超えた市町のうち、宮城県に属し、かつ平野部に位置している、七ヶ浜町、亘理町、山元町、岩沼市、名取市、東松島市、仙台市の7市町(以下、「大被害市町」とする)に絞り検討してみる。

表1 被害面積率が40%を超えた市町村

  •  
  • (単位:ヘクタール)

市町村名 耕地面積
(平成22年)
流出・冠水等
被害推定面積
被害面積率
七ヶ浜町(宮城県) 183 171 93.4%
亘理町(宮城県) 3450 2711 78.6%
山元町(宮城県) 2050 1595 77.8%
岩沼市(宮城県) 1870 1206 64.5%
陸前高田市(岩手県) 1080 671 62.1%
名取市(宮城県) 2990 1561 52.2%
大船渡市(岩手県) 933 460 49.3%
東松島市(宮城県) 3060 1495 48.9%
気仙沼市(宮城県) 2220 1032 46.5%
仙台市(宮城県) 6580 2681 40.7%

出所:農林水産省「津波により流出や冠水等の被害を受けた農地の推定面積」により作成

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