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徹底した戦力均衡で観客を呼び込むメジャー

スポーツ・エンターテインメントとしての商品価値を高める

2012年5月24日(木)

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 前回は、収益格差が4倍にも広がった米メジャーリーグと日本プロ野球の違いを端的に示すキーワードは「リーグビジネス」であることを紹介しました。フットボールやバスケットボールといったライバルのスポーツ・エンターテインメント、さらに映画やコンサートなどスポーツ以外のエンターテインメントも競争相手と捉え、エンターテインメントとしての商品価値をリーグ全体で高めることによって観客を獲得し、新しいビジネスを展開しています。

 今回は、多くの観客を集められる面白いエンターテインメントにするために、メジャーリーグがどのような取り組みをしているのか見てみましょう。キーワードは、「戦力均衡」です。

毎年強いチームが入れ替わる

 野球に詳しいコアなファンは違うかもしれませんが、一般の観客にとって面白いのは、スター選手が活躍し、ライバルや憎まれ役もおり、ホームランや三振がばんばん出て、記録が生まれる、マンガのようにわかりやすいゲームです。1998年にサミー・ソーサとマーク・マグワイアの両選手がホームラン競争を演じて、メジャー人気が沸騰したのはその最たる例でしょう。

 面白いゲームを作り出すためにメジャーリーグは、チーム数を30まで増やしてきました。というのは、記録が出やすくなるからです。例えばホームランバッターにとって、対戦するチームの数が多ければ、一線級ではないピッチャーとぶつかる確率が高くなり、それだけホームランが出やすくなるのです。

 ベースボールという市場にお金を呼び込むためには、多くのチームが必要であり、多くのチームを養うためにリーグビジネスを展開するという発想です。

 スターが活躍するのに加えて、ベースボールを面白くするには、たくさんのチームが優勝争いでしのぎを削り合う状況が欠かせません。特定のチームに戦力が集中して優勝するチームが限られてしまうと、強いチームが拠点を置く一部の地域のファンだけしか楽しめないスポーツになってしまいがちです。他の地域ではマニアなファンは維持できても、他のエンターテーメントと天秤にかける一般的なファンは育ちにくくなります。どの町の野球ファンにとっても地元チームが優勝する希望がなければ、米国全土のスポーツにはなりません。そこで、30チームの戦力を均衡させる必要があります。

 メジャーリーグが戦力均衡に成功していることは、数字によく表れています。過去10年間で9チームがワールドシリーズで優勝しており、2回優勝したのはレッドソックスだけです。毎年強いチームが入れ替わっています。さらに、ワールドシリーズの出場チームを決めるためのプレーオフ(毎年30チーム中8チームがプレーオフに出場)には、2000年以降、23チームが参加しています。プレーオフにも出られないチームは7チームしかなかったということです。

 各チームの勢力を均衡させるために、メジャーリーグは日本にはない独特の仕組みを取り入れています。具体的に見ていきましょう。

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「徹底した戦力均衡で観客を呼び込むメジャー」の著者

並木 裕太

並木 裕太(なみき・ゆうた)

フィールドマネージメント代表取締役

2000年マッキンゼー・アンド・カンパニー入社後、最年少で役員に就任。2009年株式会社フィールドマネージメントを設立。日本一の社会人野球クラブチーム「東京バンバータ」の球団社長兼GMも務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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