• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

不確かな情報の下で原発事故に対処するための最適な意思決定モデル

【第2回】見えるデータから見えないデータを推定する方法

  • 木村 英紀

バックナンバー

2012年5月25日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

前回から読む)

 拙稿へのコメントを読者からたくさん頂いたことに感謝する。大変高く評価してくださるコメントにはお礼申し上げる。一方では厳しい御批判もあった。第2回の本論に入る前に、今後の論旨展開の上でお答えしておいた方がよいと考えられる御批判を取り上げ回答をしておきたい。

<コメント1>
 事故の原因はもっと深いところにある。事故対応の詳細をあげつらってもあまり意味がない。

<答え>
 前稿では事故が起こってからの対応に焦点を絞り、何が欠けていたかを新しい視点から抽出することを試みた。このことを通して事故の背後にあるものを別の角度から浮かび上がらせることができるはずである。

<コメント2>
 図1のループを回すことは誰でも考えることであり、システム思考とは直接関係がない。

<答え>
 図1のループはありふれたものである。図1イコールシステム思考ではなく、図1をスムーズに有効に、しかも大局的な視点で回すことがシステム思考の発現である。

<コメント3>
 作業員のミスの指摘が多いが、作業員のレベルにシステム思考を要求するのは無理ではないか。

<答え>
 その通りである。システム思考の組織面についても述べるべきであった。図1のループを回すには、司令部が強いリーダシップを発揮しなければならない。作業員の独自判断と単独行為を許すような組織ではシステム思考は実現できない。

 ついでに付け加えると、対策本部には各炉の運転班(当直長をヘッドとする縦割りの組織)と、それをサポートする機能班(「保安班」「情報班」「技術班」などの横型の組織)が共存していた。報告書では両者の役割分担と情報共有がうまくいなかったことが繰り返し述べられている。平時と有事、ラインとスタッフ、常設組織と時限グループの統合は、事故に限らずシステム思考の重要な課題の一つである。

*****

 まず、前稿でも述べたシステム思考を象徴する事故対応のループを次ページに図1として再掲しよう。このループをうまく回せなかったことが事故を深刻なものにしてしまった原因のひとつであることを、政府事故調査・検証委員会の中間報告書(以下「報告書」)にもとづいて検証した。

コメント2件コメント/レビュー

化学プラントエンジニアOBです。現代の設備はかなり複雑で、自動的な制御でカバーしきるのは当然ではない。プラントの異常時に何がどの程度起きるか、予期できるものは勿論、事前に対応訓練するが、火事等は可能性は無数にあり、事前に全ての場合に準備できない予期しない原因による事が多いので、自動的な対応は難しい。事故発生の当面は状況を把握して安全に事故が終息する処置を臨機応変に考えてとる人材が必要。再発防止は事後調査による。 勿論システム的対応は可能な限り準備するが、それに頼れば完全とは考えられない。自動ではない人間の判断による対応を、予期しなかった事故の最終的な対応手段として持つ必要がある。(2012/05/25)

「システム科学者の「原発一人事故調」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

化学プラントエンジニアOBです。現代の設備はかなり複雑で、自動的な制御でカバーしきるのは当然ではない。プラントの異常時に何がどの程度起きるか、予期できるものは勿論、事前に対応訓練するが、火事等は可能性は無数にあり、事前に全ての場合に準備できない予期しない原因による事が多いので、自動的な対応は難しい。事故発生の当面は状況を把握して安全に事故が終息する処置を臨機応変に考えてとる人材が必要。再発防止は事後調査による。 勿論システム的対応は可能な限り準備するが、それに頼れば完全とは考えられない。自動ではない人間の判断による対応を、予期しなかった事故の最終的な対応手段として持つ必要がある。(2012/05/25)

原発事故を題材にシステム工学の有用性を解説しているが、すでに各所で言われているように、原発問題をこのような議論に載せることは本質的に意味がない。原発と言えどもプラントシステムあるから、必要な条件が重なれば必ず故障し、事故も起こす。世の中に(何が起きても)絶対に故障しない機械設備など存在しないので、現実問題としては、自動車や航空機や船舶や工場プラントなどと同様に、それが事故を起こしてもガマンするのかどうかだけの問題である。政府機関がいくら安全基準を設けても、航空機や隕石や徹鋼弾の直撃を受ければ「想定外」で、原子炉は爆発する。(2012/05/25)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

夢の実現にあたっては強く「念ずる」。そうした心構えを支えにビジネスの世界の荒波を渡ってきました。

後藤 忠治 セントラルスポーツ会長