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不確かな情報の下で原発事故に対処するための最適な意思決定モデル

【第2回】見えるデータから見えないデータを推定する方法

  • 木村 英紀

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2012年5月25日(金)

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 拙稿へのコメントを読者からたくさん頂いたことに感謝する。大変高く評価してくださるコメントにはお礼申し上げる。一方では厳しい御批判もあった。第2回の本論に入る前に、今後の論旨展開の上でお答えしておいた方がよいと考えられる御批判を取り上げ回答をしておきたい。

<コメント1>
 事故の原因はもっと深いところにある。事故対応の詳細をあげつらってもあまり意味がない。

<答え>
 前稿では事故が起こってからの対応に焦点を絞り、何が欠けていたかを新しい視点から抽出することを試みた。このことを通して事故の背後にあるものを別の角度から浮かび上がらせることができるはずである。

<コメント2>
 図1のループを回すことは誰でも考えることであり、システム思考とは直接関係がない。

<答え>
 図1のループはありふれたものである。図1イコールシステム思考ではなく、図1をスムーズに有効に、しかも大局的な視点で回すことがシステム思考の発現である。

<コメント3>
 作業員のミスの指摘が多いが、作業員のレベルにシステム思考を要求するのは無理ではないか。

<答え>
 その通りである。システム思考の組織面についても述べるべきであった。図1のループを回すには、司令部が強いリーダシップを発揮しなければならない。作業員の独自判断と単独行為を許すような組織ではシステム思考は実現できない。

 ついでに付け加えると、対策本部には各炉の運転班(当直長をヘッドとする縦割りの組織)と、それをサポートする機能班(「保安班」「情報班」「技術班」などの横型の組織)が共存していた。報告書では両者の役割分担と情報共有がうまくいなかったことが繰り返し述べられている。平時と有事、ラインとスタッフ、常設組織と時限グループの統合は、事故に限らずシステム思考の重要な課題の一つである。

*****

 まず、前稿でも述べたシステム思考を象徴する事故対応のループを次ページに図1として再掲しよう。このループをうまく回せなかったことが事故を深刻なものにしてしまった原因のひとつであることを、政府事故調査・検証委員会の中間報告書(以下「報告書」)にもとづいて検証した。

コメント2

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