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医薬品ネット販売の「倉庫」はお客が来ない「店舗」だった!

ケンコーコムとの裁判で負けても煮え切らない厚生労働省の罪

  • 飯山 辰之介

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2012年5月31日(木)

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 ある大手ドラッグストアチェーンのネット販売拠点を訪れた時のこと、そこには倉庫と事務所しかなく、消費者が直接訪れても商品を買うことができない。それにもかかわらず、倉庫内には「売り場」があり、店舗で使われるようなPOS(販売時点管理)レジが置かれている。敷地面積や通路の幅なども実際の店舗に準じた形になっていた。

 倉庫として効率的とは言い難い。だが「実際の店舗に定められた基準を守らないと、法律違反になってしまう」と拠点の関係者は苦笑いする。なぜ、こうした不思議な事態が起こっているのだろうか。

 結論から先にいえば、医薬品の運用を定めている薬事法に「ネット販売業」が含まれていないからだ。この法律が位置づけているのは、「店舗販売業」と「配置販売業」、「卸売販売業」の3つしかない。つまり、「ネット販売業者」は法律上、存在しないことになる。

 彼らがネット販売する上でより所にしているのは厚労省が定めた「省令」だ。同省の省令「薬事法施行規則」にはネット販売を含めた「郵便等販売の方法等」が示されている。とはいえ、法律で許可されている業態ではないので、「ネット販売をするにしても、店舗販売業の許可は必要」と厚生労働省は言う。

省令が誰も訪れない「店舗」を作った

 もちろん現実にはネット販売業者は数多くいる。だが彼らは薬事法上はあくまで店舗販売業者。省令によって特例的にネット販売を許可されているに過ぎない。だから、消費者が1人も訪れない「物流拠点」であっても、倉庫内に「店舗」を設けなければならないのだ。

 しかもネット販売業者が販売を認められているのは、比較的リスクが低いとされている第3類医薬品だけ。この規制もまた、薬事法ではなく、厚労省の省令が定めている。

 この省令に反発したのが、「ネット販売業者」のケンコーコムだった。2009年5月、第1類、第2類の医薬品をネット販売できる権利の確認を求めて、同社は国を相手取って東京地裁に提訴した。2010年3月30日の地裁判決では敗訴したものの、今年4月26日の控訴審判決では、東京高裁がケンコーコム側の訴えを認める逆転判決を出した。

 東京高裁が問題視したのは「薬事法で良いとも悪いとも言及していないネット販売について、厚生労働省が省令で規制できるのか」という点だった。

 薬事法の改正には国会の承認が必要だが、その具体的な運用方法などを定めた省令は、厚生労働省が独自に定めることができる。だが東京高裁は判決要旨で、「新薬事法36条の5が第一類・第二類医薬品等についての販売方法を厚生労働省省令に委任していることを前提としても、同条が店舗販売業者が行う第一類・第二類医薬品の郵便等販売を一律に禁止することまでも委任したものと認めることはできない」と指摘した。

コメント2件コメント/レビュー

結局、厚労省による最高裁への抗告は、大臣・副大臣が超多忙か、無能かの理由により、官僚群が仕事のための仕事を増やしているだけということでしょう。  小宮山氏はじめ無能である可能性が相当大きいのではなかろうか?(2012/05/31)

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結局、厚労省による最高裁への抗告は、大臣・副大臣が超多忙か、無能かの理由により、官僚群が仕事のための仕事を増やしているだけということでしょう。  小宮山氏はじめ無能である可能性が相当大きいのではなかろうか?(2012/05/31)

と、いうより民主党と厚労省はケンカ中であり、法制化を望んだ場合に厚労省のやってほしくない形(規制緩和等)で決まるのを防ぐ為、時間稼ぎに上告してるんだと思う。次の政権と仲良くして望むべき法制化を狙ってるのでしょう。(2012/05/31)

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