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「NOTTV」はテレビ村の掟を捨てられるか

テレビを見るべきかインターネットを見るべきか、それが問題だ

2012年6月14日(木)

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 スマートフォン向けマルチメディア放送サービス「NOTTV(ノッティーヴィー)」がスタートした。地上デジタル放送の開始により停波したVHF Hiバンドの空き領域を利用して行われ、デジタル放送規格「ISDB-Tmm」方式を採用している。当面は、NTTドコモの端末に限られているが、ユニーバサルサービスとして展開していく予定である。

 評判は散々である。「モニター当たったけど、つながらない」「コンテンツが貧弱すぎる」。ネットには不満があふれていて、相当きついスタートをしたようである。スタート時点では対応機種が2種類ぐらいしかなかったが、今後、ドコモとしても対応機種を増やしていくだろうし、回線強化もしていくだろう。

 しかし、AKB48とプロ野球を番組編成の中心に置いてしまうような旧式テレビ業界の発想は、いくら資金を投入しても解決できる問題ではない。根本的なところで「テレビとは何か」「インターネットとは何か」「インターネット時代のテレビとは何か」という問いかけからスタートしない限り、旧来のメディアの二番煎じか、予備軍にしかならない。

 最初、NOTTVというサービス名を聞いて、驚いた。この言葉は、僕の大好きな言葉だったからである。学生時代に読んだ本なので、初出は忘れたが、米国がテレビ放送を開始した1940年代に、ニューヨークタイムズだと思ったが、社説に掲載されていたという言葉なのである。それは、新聞や出版がメディアを支配していた時代に、新しく登場してきたテレビに対して「tv or nottv」と書いた。もちろんそれはシェイクスピアの「To be or not to be」のダジャレである。「為すべきか為さざるべきか、それが問題だ」というように「テレビを見るべきか、見ざるべきか、それが問題だ」という意味だろう。この言葉が好きで、僕が1990年代のはじめに、草の根パソコン通信を立ち上げたとき、タイトル画面に、この言葉を入れていた。

 テレビが新聞や出版を凌駕し、世界を制覇し、そしてその王国に対峙するかたちでインターネットが登場した。今、問われているのは「テレビを見るべきか、インターネットを見るべきか、それが問題である」という意味での「NOTTV」だろう。それは同時に「インターネット時代のテレビとは何か」という、本質的な命題に行きつく。ここで、もういちど「テレビとは何か」という歴史的問題に立ち返ってみたい。

中世の「タウン・クライヤー」と江戸時代の「高札」

 まだメディアが発達していなかった中世の欧州には、Town Crier(タウン・クライヤー)という職業があった。最初は、土地の権力者が決めた法律の布告や税金の徴収などについて、タウン・クライヤーが街頭で大声で語るのである。まさに街の叫び人である。

 やがて、英国では、街頭で世の中のさまざまな事件などを語るタウン・クライヤーも現れた。ロンドンで大火事があると、他の都市のタウン・クライヤーが事実を伝え、火の用心を大衆に伝える。当時は、非識字率も高く、活字を読める人も少なかっただろうから、タウン・クライヤーが広い世界の出来事を伝えてくれるメディアになりえたのだろう。

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「「NOTTV」はテレビ村の掟を捨てられるか」の著者

橘川 幸夫

橘川 幸夫(きつかわ・ゆきお)

デジタルメディア研究所代表

1972年、音楽雑誌「ロッキングオン」創刊。78年、全面投稿雑誌「ポンプ」を創刊。その後も、さまざまな参加型メディア開発を行う。現在、阿佐ケ谷アニメストリート商店会会長、未来学会理事などを勤める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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