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脱原発vs原発推進、消えぬ二項対立

エネルギーミックスの各選択肢を読み解く

2012年6月22日(金)

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 5月28日、経済産業省の総合資源エネルギー調査会基本問題委員会において、ようやくエネルギーミックスの選択肢に関する案が決定した。昨年10月3日から、25回にも及ぶ会合をもち、議論を重ねた末の合意である。

4案に絞られた選択肢

 最終的に、2030年の電源構成に関する選択肢は4案に絞られた。当初挙げられていた、2030年時点の国内総発電量に占める原子力発電の割合を35%とする案は、新日本製鐵会長である三村明夫委員長の裁量で外され、参考案として提示されることとなった。

 2010年よりも原発の割合が高くなる、この35%案に対しては、猛反発が噴出した。福島第一原発の事故を契機にして、脱原発依存を進めようという当初の目的とは逆行する、との強い主張を受け入れ、選択肢から外す決断がなされた。あのまま35%案を残していれば、どんなに時間をかけても、こうして選択肢案がまとまることはなかったように思う。委員長の大変な英断であったと、評価している。

 選択肢(1)は、2030年における原発の割合をゼロにする案である。これを選択する場合、我が国は、「原子力を捨てた」と、世界へ宣言することを意味する。電源構成比は、再生可能エネルギーが35%、火力発電が50%、コージェネレーション(熱電併給)システムが15%である。

 選択肢(2)は、原発の割合を15%とするものであるが、2030年以降は、情勢の変化を見ながら、改めて電源構成を再考する。我が国が将来に向けて、原発を捨てるのか、維持していくのかについて、明言していない。残る電源の構成比は、再エネが30%、火力が40%、コージェネが15%である。

 この(2)案に対しては、答えを先延ばししているとの指摘もあった。しかし、2030年にどれだけ技術が進歩し、どのように社会環境が変化しているのか、明確には予測し難い。その時点の状況に応じて、的確な判断をする余地を残すことは、決して悪いことではないと、わたしは考える。

 選択肢(3)は、原発の割合を20~25%まで低減させるが、一定量を維持する案である。残る電源の構成比は、再エネが25~30%、火力が35%、コージェネが15%としている。

 なお、選択肢(4)では、具体的な数値を盛り込んでいない。需要家が選択した電源の割合が、そのまま、社会的に最適なベストミックスであるとする、市場性を重んじる案である。省エネや節電をどの程度積み増しできるのか、あるいは分散型の普及状況や、現在議論が進められている電力システム改革がどうなるかなどによっても、需要家の選択は変わってくる。また、「炭素税率などの政策を示さずに、電源構成の割合を政府が提示すべきでない」とする主にエコノミストらの主張を受けて、この案が選択肢の1つとなった。

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「脱原発vs原発推進、消えぬ二項対立」の著者

柏木 孝夫

柏木 孝夫(かしわぎ・たかお)

東京工業大学特命教授

経産省の総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会長などを歴任し国のエネルギー政策づくりに深くかかわる。総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会の分科会長、同調査会基本政策分科会の委員を務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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