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暗雲垂れ込める世界経済

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2012年6月28日(木)

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ユーロ危機は悪化の一途をたどり、米国には二番底の危険が迫る。中国を含む新興国の経済も、イランの核開発を巡る緊張も見通しは暗い。各国政府が対策として使える手持ちのカードは尽きかけている。

 今後の世界の金融、経済の見通しは暗い。というのも、ユーロ圏、米国、中国を含め、あらゆる地域から黒く重い雲が流れ込んでいるように見えるからだ。世界経済は2013年、逃げ場の見いだせない極めて厳しい状況に至るかもしれない。

ユーロ圏、米国ともに状況は悪化

 まず、ユーロ圏の危機は悪化しつつある。ユーロは依然として高すぎる水準にあり、多くの加盟国が最優先する緊縮財政は景気後退をさらに悪化させている。ユーロ周辺国の信用収縮と原油価格の高騰で、回復への見通しはおぼつかない。ユーロ圏の銀行システムは、域内の銀行間における与信枠の縮小により分断寸前状態にある。

 そして、数カ月以内にギリシャが無秩序なユーロ離脱に向かうことになれば(その可能性は十分にある)、周辺国の銀行から資本が引き揚げられ、それらの国では全面的な取りつけ騒ぎに発展しかねない。

 しかも、スペインとイタリアの国債利回りが再び持続不可能な水準にまで上昇し、財政と政府債務にかかる負担はますます重くなっている。実際、ユーロ圏では、銀行に対する国際的な救済(最近スペインの銀行に対して行われた)だけでなく、国全体の救済も必要になる可能性さえある。ユーロ圏や国際機関が設けた防火壁は、スペインでもイタリアでも安全装置としての役割を十分に果たせていない。そのため、ユーロ圏が無秩序に崩壊する危険性はなお残っている。

 西に目を向けると、米国の経済も悪化に向かっている。2012年第1四半期の成長はわずか1.9%と、潜在成長率を大きく下回った。4月と5月の新規雇用の伸びも減速したことから、年内にも成長が止まるかもしれない。

 しかも、2013年に二番底が訪れる危険性が高まっている。目前に迫った「財政の崖*1」と呼ばれる状況の影響が仮に小さかったとしても、恐らく実施されるであろう一部の増税と社会保障費の削減は、可処分所得と消費の伸びを抑え込む。

*1=先送りしてきた減税の期限切れや強制的な予算削減が一気に訪れ、米景気の回復に悪影響を与えかねないこと

 さらには、11月の米大統領選挙でバラク・オバマ現大統領とミット・ロムニー候補のどちらが勝利しようとも、財政調整を巡る政治的な膠着状態は変わらず続く可能性が高い。そのため、債務上限が再び火種となり、政府機関の機能が停止する懸念が広がり、格付けが引き下げられるといったリスクが浮上。消費者や企業の信頼感を押し下げ、支出の抑制と安全資産への逃避を促し、株式市場の下落に拍車をかけることになるだろう。

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