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中古CDに見る AKBの“実力”

発売当日の買い取り価格は10円

2012年7月2日(月)

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 6月24日、日曜日。さいたまスーパーアリーナで開かれたAKB48の「握手会」イベントには黒山の人だかりができていた。

 会場を訪れた大西良典さん(28歳)はイベント参加券付きの最新シングル「真夏のSounds good!」を計8枚購入した。うち4枚は、特典として握手会の参加券が付いた「劇場盤」。残りは、メンバーの人気投票の参加券が付いた「数量限定生産盤」だ。中身のほぼ変わらない商品をいくつも購入するのは当然、特典の「握手券」や「投票券」を手に入れるためだ。

 大西さんによれば「自分はライトなファンで、よりコアなファンは数十枚、100枚単位で買う人もいる」という。どんな分野でもお金に糸目をつけないコアなファンはいるものだが、AKB48のCDが特異な商品になっているのは、握手券といった特典の価値が、売り物であるはずのCD本体の価値を明らかに上回っていることだ。それは中古品の価格を見ればすぐ分かる。

 予約開始当日にあっと言う間に売り切れとなった「劇場盤」の定価は1000円。これが、ある大手の中古CD業者では、発売当日から買い取り価格を10円に設定していた。定価1600円でDVDが付いている「数量限定生産盤」「通常版」は100円。販売価格はそれぞれ100円、300円だった。

 この業者によれば、「中古品の多くは特典チケットが抜き取られているため、一気に価値が下がる。市場に出回る中古品の数もすさまじく、まともな価格は付けられない」という。

 販売ランキングに登場するような大物アーティストの新譜であれば、定価が1000円とすれば発売直後の買い取り価格は数百円で、販売価格もそれほど下がらないケースが多いという。AKB48はランキング1位の常連にも関わらず、ネットオークションなどで特典なしの商品は「2枚で400円」などで売られている。

 一方、各種特典の人気は高い。メンバーの生写真や、握手券の複数枚セットなどは多くがオークションサイトで1000円以上の値が付けられている。特典の転売目的で大量購入する業者の存在も指摘されている。

コメント8件コメント/レビュー

それって・・音楽を売っているの?(2012/07/02)

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「中古CDに見る AKBの“実力”」の著者

中川 雅之

中川 雅之(なかがわ・まさゆき)

日本経済新聞記者

2006年日本経済新聞社に入社。「消費産業部」で流通・サービス業の取材に携わる。12年から日経BPの日経ビジネス編集部に出向。15年4月から日本経済新聞企業報道部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

それって・・音楽を売っているの?(2012/07/02)

ダウンロード販売で、CDが売れなくなったというのは筆者の思い込みである。何も実証的でない。CDが爆発的に売れたのは1990年代バブルの熱気がさめやらぬ頃、テレビのタイアップとカラオケのサイクルで、誰も覚えていないような曲まで売れたのであるから、その点でAKB48の多少多すぎるとしても売れている現象に違いはない。一般に若年層が音楽から携帯の通話料に支出をシフトしたことが、1990年代のCDバブルを終わらせたのである。要するにまだCDないしレコードが高価でで買いにくい前バブル期と現代を比較しなくてはいけないのである。通常年寄りはほとんど知らないインディーズやニコニコ動画のミュージシャンたちの中から突然ブレークしている現象位は、ちゃんと勉強していただきたい。まだ見落としている構造的現象はないだろうか?(2012/07/02)

こんなんでも「ダブルミリオン」と言われ「レコード大賞」までとっちゃう!!新しい商品戦略、付加価値アイデアの成功例としても、これで「音楽業界」は良いのだろうか。(2012/07/02)

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三品 和広 神戸大学教授